子どもたちにとっての「食」の重要性については、
このブログでも時々記させていただいています。
自分の身体は、自分が食べたものでできている、
というフレーズはどこかの食品メーカーのキャッチフレーズだったでしょうか、
そのことを最近特に強く感じます。
私は子供の頃、好き嫌いがとても激しかったのですが、
朝食を含め、食事を抜いたことはおそらく一度もなかったと記憶しています。
両親と祖父母に心から感謝ですよね。
ところが近年は食事が不十分な子どもたちも多い、とのこと。
そんな中で、各地に「子ども食堂」ができてきました。
当初、この取組をお聞きした時にとても素敵だな、と感じたのを思い出します。
あれから何年が経ったのでしょうか、先月こんな記事が掲載されました。
毎日新聞より。
記事の一部を引用させていただきます。
地域の子どもたちに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国2286カ所で開かれているとの調査結果を、運営者の団体「こども食堂安心・安全向上委員会」が3日発表した。子ども食堂の名が使われ出したのは5~6年前からで、ここ数年で爆発的に広がったとみられる。ただ、地域差も大きく、同委員会は「各小学校区ごとに1カ所の開設が望ましく、官民挙げての取り組みが必要だ」と訴える。
「子ども食堂」という名称には明確な定義がないとのことで、
今回の調査ではどんな活動をもって子ども食堂としているのかは
回答する側に委ねられたようです。
それでも全国で2,000カ所を超えるとは…と驚きました。
地域としてはやはり人口の多い都市部に多いようなのですが、
子どもの貧困率が高い沖縄や北海道でも多くなっているようです。
善意の輪が広がっている、ということに関しては喜ばしいのですが、
一方でそれだけ子どもたちの食が脅かされているということでもあるだけに、
複雑な気持ちになってしまいます。
今後に向けた課題についても、記事に記載があります。
資金繰りが厳しく、食中毒や事故に備えた保険に加入していない食堂が多いという課題も浮かんだ。同委員会は3日から、全国200カ所の子ども食堂の保険料を工面するため、インターネットで寄付を募る「クラウドファンディング」を始めた。
食は安全第一。
そのために必要な資金が集まることを願っています。
さて、ひるがえって私学はどうでしょうか。
食に対する各校の捉え方は、決して前向きとは言えないように感じます。
学食の利用時間制限、買い食いの禁止、自販機の利用禁止…等、
食をめぐっては「制約」が先に立つ印象です。
むしろ、食のあり方を積極的に考えるような取組が増えるといいのにな、
と思っているのですが…多忙な学校現場には酷な話かもしれません。
ただ、食は命の原点ですから、
教育の大切な一要素として、
子どもたちも大人たちもそのことに向き合う場面が増えることを
心から願っています。
(文責:吉田)