一時の暑さは過ぎ去り、季節は秋へ。
そんな近況ながら、夏のニュースをお届けすることをご容赦ください。
夏の賞与、今年はどうだったのでしょうか。
厚生労働省HPより。
平成29年 民間主要企業夏季一時金妥結状況を公表します |報道発表資料|厚生労働省
まずは気になる結果から。
○ 平均妥結額は825,150円で、4年連続で80万円台の水準。
前年に比べ18,427円(2.18%)の減。○ 平均要求額は、860,719円で、前年に比べ27,544円の減。
前年と比べると2%余りの減少となっています。
が、金額は80万円台。4年連続の高水準です。
ただし、集計対象にご注意を。
統計をご紹介する際には毎度お伝えしていることではありますが…
今回の調査対象は
「妥結額などを把握できた、資本金10億円以上かつ
従業員1,000人以上の労働組合のある企業428社」
となっています。
学校法人で教職員数1,000人以上となるとかなりのレアケースです。
では、集計対象を変えてみると結果はどうなるのでしょうか。
まずは「上場企業」の平均を見てみましょう。
一般財団法人労務行政研究所「東証第1部上場企業の2017年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査 」によりますと、
全産業127社の平均で728,662円
対前年同期比で0.0%と横ばい
製造業は同0.3%減、非製造業は同1.2%増
なんと、先ほどの結果よりも下がっていますね。
しかも金額で1割程度低くなっています。
では、公務員はどうでしょうか。
こちらから情報を拾ってみました↓
国家公務員 平均641,926円。前年比+1.9%
国+地方公務員 4年連続増加 前年比2.5%増
前年との比較ではアップしていますが、平均額は約64万円。
先の2つの平均値をいずれも下回っています。
最後に中小企業。
中小企業のボーナス調査資料と言えば、大阪シティ信用金庫さんのものが
毎年公表されますよね。
大阪シティ信用金庫「中小企業の夏季ボーナス支給状況」によれば…
1 人当たりの平均支給額は前年に比べ 2,084 円多い 260,756 円
支給額が増加するのは 6 年連続
業種別にみると、支給額はすべての業種で昨年より増加
金額はなんと20万円台です。(これでも前年より上がっています)
前三者との差は歴然で、調査対象とした中小企業の中だけで見ても、
「従業者規模別にみると、支給額は規模が小さくなるほど少なくなっている」
とのコメントがレポートに書かれています。
しかも、これは「ボーナスを支給する」と回答した企業のみの平均値。
ちなみに、支給する、と回答した企業の割合は昨年比 1.7 ポイント減の 59.9%。
全体の4割の企業はボーナスゼロ、ということですね。
統計資料によって見える景色は変わります。
御校の今後に向けた人件費施策を考えるご参考になれば幸いです。
(文責:吉田)