勉強にあまり熱心ではなかった私の学生時代の職員室といえば、できればあまり行きたくない部屋でした。
職員室には、テストで赤点をとって呼び出されたという記憶もないのですが、だからと言って積極的に行くようなこともありませんでしたので、職員室がどのような部屋だったのかという記憶が残念ながら全くありません・・・。
ただ、どことなく閉鎖的だったなあ・・・といった記憶しかないのですが、当時と違い最近は職員室を開放的な雰囲気にしている学校が増えてきているようですね。
上記リンクは、神奈川県の名門中高一貫校として有名な栄光学園中学・高校の職員室に関する記事です。タイトルのとおり、校舎の建替えに伴い、職員室の壁が消えてしまったそうです。
なんと職員室と廊下の間には壁がない。壁が取り除かれ、何本かの柱があるだけで、実にオープンな空間だ。しかもその隣にラーニングスペースがある。いすや机が置かれ、生徒が教師に質問したり、自習や雑談をしたり、生徒同士で気軽に教え合う空間になっている。その向こうには図書館がある。2階にあるラーニングスペースに行くと、寝そべったまま本を読む生徒もいた。
栄光はカトリック系のイエズス会が運営しており、しつけの厳しい学校というイメージがあるが、校内はのどかで、明るい表情の生徒が少なくない。「遅刻には厳しいし、掃除もしっかりするように指導していますが、決して叱りつけることはしません」と望月校長は強調する。
栄光の特徴とは、「教師と生徒のコミュニケーションが密なことです。教師に相談や質問があると、昼休みや放課後に生徒が教師のところにどんどん来る。だから新校舎では職員室の壁をなくし、隣にラーニングスペースを設けました」と話す。栄光の授業開始は午前8時20分(冬時間は8時50分)で終業は午後3時5分。下校時間の午後5時ぐらいまで、この空間で教師や生徒の「ワイガヤ」が繰り広げられる。
栄光学園の場合、職員室の壁をなくしたから教師と生徒のコミュニケーションが密になったわけではなく、以前からそのような風土があったようですが、やはり物理的な障害を取り除くことは重要なのではないかと思います。
特に、勉強が苦手な子どもが自発的に先生に質問にいくようなことは考えにくいですので、先生に気軽に質問することができたり、職員室の近くで自習ができるような環境づくりが求められそうです。
現存の校舎の老朽化に伴い、建替えや改修を予定されている学校も多いかと思いますが、今後の学校建築においては、子ども達が楽しみながら自発的に学べるような設備、仕掛けが不可欠となりそうですね。
(文責:木村)