本日は労働組合に関する調査結果をお届けします。
厚生労働省HPより。
ざっとひとつかみしたい方は「報道発表資料」をご覧いただくのが早いと思います。
もう少し詳しく、という方は以下の「結果の概要」をご覧ください。
1 労働組合及び労働組合員の状況
平成 28 年 6 月 30 日現在における単一労働組合の労働組合数は 24,682 組合、労働組合員数は994 万人で、前年に比べて労働組合数は 301 組合(1.2%)の減、労働組合員数は 5 万 8 千人(0.6%)の増となっている。
また、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、17.3%で、前年より 0.1 ポイント低下している。
女性の労働組合員数は 319 万 2 千人で、前年に比べ 7 万 2 千人(2.3%)の増、推定組織率(女性雇用者数に占める女性の労働組合員数の割合)は、前年と同じで 12.5%となっている。
労組の組織率自体は高まっていないものの、労働者数自体が増えていることに伴い組合員数自体も大きくなっている、という結果のようです。
2 パートタイム労働者の状況
労働組合員数(単位労働組合)のうち、パートタイム労働者についてみると 113 万 1 千人となっており、前年に比べて 10 万 6 千人(10.3%)の増、全労働組合員数に占める割合は 11.4%で、前年より 1.0 ポイント上昇となっている。
また、推定組織率(雇用者数(第2表注 1)参照)に占めるパートタイム労働者の労働組合員数の割合)は 7.5%で、前年より 0.5 ポイント上昇となっている。
予想通り、パートタイム労働者についてはその数が大きく伸びていることに加え、労組加入者の中での存在感も大きくなっているようです。
各校でお話を伺う中でも、これまではあくまで専任教職員の処遇維持及び改善が組合交渉における話題の中心であったところ、加入者の変遷に伴い、いわゆる非常勤教職員に対する処遇への配慮に留意されるケースが出てきているように感じています。
3 産業別の状況
労働組合員数(単位労働組合)を産業別にみると、「製造業」が 262 万 2 千人(全体の 26.5%)と最も多く、次いで、「卸売業,小売業」が 138 万 6 千人(同 14.0%)、「運輸業,郵便業」が 85 万 9 千人(同 8.7%)などとなっている。
対前年差をみると、増加幅が大きかった産業は、「卸売業,小売業」4 万 9 千人(3.7%)増、「宿泊業,飲食サービス業」2 万 6 千人(12.4%)増などであり、減少幅が大きかった産業は、「教育,学習支援業」1 万 3 千人(2.6%)減、「公務(他に分類されるものを除く)」1 万 3 千人(1.4%)減、などとなっている。
推定組織率を産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 69.0%で7割近くと高く、「農業,林業、漁業」1.7%、「不動産業,物品賃貸業」3.0%で低くなっている。
なんと教育業のカテゴリが前年からの減少幅が最大の業種となっています。
ちなみに同カテゴリの推定組織率は17.7%で、ちょうど平均に近い水準です。
4 企業規模別(民営企業)の状況
民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は 849 万 1 千人で、前年に比べて 8 万 7 千人(1.0%)の増となっている。
これを企業規模別にみると、1,000 人以上規模が 551 万 7 千人(全体の 65.0%)と6割以上を占め、300~999 人規模が 116 万人(同 13.7%)、100~299 人規模が 61 万人(同 7.2%)などとなっている。
規模が大きいほど労働者数が多いので、組合員「数」が多いのは当たり前の帰結なのですが、組織「率」も規模が大きいほど高くなっています。
5 主要団体への加盟状況
主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している労働組合員数(単一労働組合)をみると、連合(日本労働組合総連合会)が 675 万 3 千人(前年に比べて 4 千人増)、全労連(全国労働組合総連合)が 55 万人(同 1 万 8 千人減)、全労協(全国労働組合連絡協議会)が 10 万 1 千人(同 4 千人減)、金属労協(全日本金属産業労働組合協議会)が 201 万 1 千人、インダストリオール・JAF(インダストリオール日本化学エネルギー労働組合協議会)が 43 万 3 千人、交運労協(全日本交通運輸産業労働組合協議会)が 61 万 7 千人、公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)が 116 万 5 千人となっている。
また、都道府県単位の地方組織のみに加盟している、いわゆる地方直加盟の労働組合員数を合わせて集計した労働組合員数は、連合が 688 万人(前年に比べて 1 万人減)、全労連が 77 万 6千人(同 2 万 9 千人減)、全労協が 11 万 2 千人(同 5 千人減)となっている。
ちなみに「日教組」は直近の組合員数が241千人と、前年の246千人から5千人減少しています。
労働組合は経営方にとって歓迎すべき存在ではないかもしれませんが、だからこそ職場環境の改善のために有効だとも言えます。
一方で、近時何名かの学校経営者さんからは、労働組合の委員長はじめ幹部、そして教職員の勉強が足りない、議論にならない、との辛辣なご意見も伺っています。
ある事務長さんからは「就業規則を読んだことすらない組合幹部がいる」との嘆きが。
自らを守る法令や規則について学ぶことは最低限必要なことですよね。
なれあいでなく、非論理的でない議論が可能な労働組合との切磋琢磨が、きっと御校の経営力を高めてくれると思います。
(文責:吉田)