本日は賃金統計のご紹介です。
厚生労働省HPより。
以下、結果の概要の中から、主なものをまとめました。
平成28年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)<全企業>
・「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は86.7%(前年85.4%)
・「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.8%(同1.2%)
・「賃金の改定を実施しない」は7.1%(同8.4%)
→教育・学習支援業に限った場合には、
・「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は81.5%(前年75.4%)
・「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は2.1%(同3.0%)
教育業界では全業種の平均値よりも引き上げた率は低めになっています。
平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業及び賃金の改定を実施しない企業について、賃金の改定状況(9~12月予定を含む。)をみると、
・「1人平均賃金の改定額」は5,176円(前年5,282円)
→教育・学習支援業に限ると、5,372円(同3,608円)
・「1人平均賃金の改定率」は1.9%(同1.9%)
→教育・学習支援業に限ると、各数値は2.4%(同1.3%)
企業規模別にみた「1人平均賃金の改定額」
・5,000人以上の企業で5,683円(同7,248円)
・1,000~4,999人で5,434円(同5,999円)
・300~999人で5,319円(同4,633円)
・100~299人で4,482円(同3,947円)
教育業界の改定額・率は前年より大きく増加していますね。
これは次項で触れることとも関係がありそうです。
ちなみに、規模別の数値の動き方も大企業(前年比減少)と中小企業(前年比増加)で逆の方向になっているのが特徴的です。
平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素
・「企業の業績」が51.4%(前年52.6%)…最多
・「労働力の確保・定着」が11.0%(同6.8%)
・「親会社又は関連(グループ)会社の改定の動向」が5.9%(同5.4%)
労働力の確保や定着の割合が多くなっているのが世相を反映していますね。
採用が厳しい業界ほど、その傾向が強くなっているのかもしれません。
労働組合のある企業について、平成28年の労働組合からの賃上げ要求交渉の有無をみると、
・「賃上げ要求交渉があった企業」が79.8%(前年79.8%)
→教育・学習支援業に限ると55.6%
・「賃上げ要求交渉がなかった企業」が20.1%(同19.6%)
教育業界では賃上げ要求自体が少なめであることが分かります。
本統計は上記以外にもかなり多くの情報を含んでいますので、ご興味があればぜひ全体をご確認ください。
全体を総合すると、
・賃金の引き上げというトレンドが明確であること
・その理由として「労働力の確保」という経営課題が強く影響していること
といったあたりが確実に言えることではないか、と感じています。
次年度に向け、人材の確保を確実に図らねばなりません。
本統計がそのご参考になれば幸いです。
(文責:吉田)