本日は賃金関係の統計と記事をご紹介します。
まずは厚生労働省HPより。
平成27年 民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況を公表します |報道発表資料|厚生労働省
当該HPに記載されている調査結果概要を以下に転載いたします。
【集計対象】
資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額 (定期昇給込みの賃上げ額)などを把握できた314社。
【集計結果】
○ 平均妥結額は7,367円で、前年(6,711円)に比べ656円の増。
また、現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率は2.38%で、前年(2.19%)に比べ0.19ポイントの増 。賃上げ率は平成10年以来17年ぶりの水準。○ 具体的な要求額を把握できた299社の平均要求額は10,587円で、前年(8,618円) に比べ1,969円の増。
賃上げ率は昨年よりも上がっている業界が多いものの、思ったほどではない、というのが私の印象です。
ご留意いただきたいのは、この賃上げ額はあくまでも「定期昇給込み」ですので、ベースアップを指すものではないということです。
私学の場合、定期昇給だけで1万円前後に達するケースは決して珍しくありませんので、世間水準に比べると恵まれた状況であると言えそうです。
最低賃金、18円引き上げ平均798円に 厚労省審議会:朝日新聞デジタル
最低賃金は中央最低賃金審議会が作る目安を参考に、各都道府県のそれが決まるというしくみになっていますが、その目安が今回出たという記事です。
これによれば、2015年度の最低賃金(時給)について、全国の加重平均で18円上げることを目安にする、とのこと。
所得水準や物価などの指標をもとに分けられたランクごとの引き上げ目安は次の通りです。
A(都市圏):19円/B:18円/C・D:16円
記事にも「4年連続で10円超の引き上げ」と記載がある通り、ここ数年は最低賃金の上昇が目立っています。
各私学におかれましては、非常勤教職員さんの時給はもちろんですが、月給者の時給単価がこの基準を割っていないかどうか、必ず検証しておいていただくようお願いいたします。
最後に日本経済新聞から。
リクルートジョブズの調べによると、今年6月における首都圏のパート・アルバイトの募集時の平均時給が1,003円となり、2カ月連続で1,000円超になったとのこと。
第一生命経済研究所の調査でも、短時間労働者の時給は昨年5月から前年同月比1%台の伸びが続いていて、今年5月には1.5%増の993.4円。全国平均値でも1,000円が目前になっているようです。
私が初めてアルバイトをした高校時代の時給が450円だったことを想うと、本当に隔世の感があります。
人口減、採用難による時給アップが続いているものの、記事には「時給を上げても採用増への効果は限定的」とのコメントも掲載されています。
私学においても、「期限付雇用」にこだわっていると今後の採用が難しくなる、ということもあり得るかもしれません。
留意しておきたいニュースです。
以上、本日は賃金関連のニュースを3本お届けいたしました。