寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「保育園作れよ」実現するには

やや過激な表現を含むブログから一気にその声が広がった、保育園問題。

今朝の朝日新聞デジタルヘッドライン(メール配信サービス)の表題をこのブログの表題にもしてみた次第です。

 

マスコミでもいろいろ採り上げられていますが、朝日新聞の記事としては以下の3本をご紹介しましょう。

なお、本日ご紹介する記事はいずれも全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください。

 

「保育園落ちた」ネット世論で政権一転 首相も軌道修正:朝日新聞デジタル

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログが、政府・与党に波紋を広げている。政権幹部は当初、「議論しようがない」などと受け流していたが、ネット上でブログに共感する声が広がると一転して待機児童への政府対応を強調。世論の大勢が政権批判に転じないよう、神経をとがらせている。

このブログが国会で取り上げられたのが2月29日。

衆院予算委員会民主党議員が首相に対し「社会が抱える問題を浮き彫りにしている」とただしたものの、首相は「実際に起こっているのか確認しようがない。これ以上議論しようがない」と突き放し、議員席からは「ちゃんと(ブログを書いた)本人を出せ」などというヤジまで飛んだ、と記事には書かれています。

(本論とは関係ないですが、国会のヤジは子どもに見せられない大人の姿として個人的に大嫌いです)

そして、これに反発した市民らがネット上での署名活動を始めたところ、数日でかなりの数の署名が集まり、政権はかなり慌てている…という状況がつづられています。

この続編が次の記事です。

 

 

「保育園落ちた」きっかけに2万7千署名 制度充実求め:朝日新聞デジタル

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログをきっかけに保育制度の充実を求める署名が広がり、6日間で2万7千人余分が集まった。参加した母親らは9日、国会を訪れて署名簿を塩崎恭久厚生労働相に手渡した。当事者からの切迫した訴えに、政権も対応を迫られている。 

この記事では実際に保育園に落選しその苦しい胸中を語る母親たちの声がたくさん紹介されています。

そして、後手に回った政権と、それを追求する野党の様子も書かれています。

一方で、「申込者が急増、整備追いつかず」と題した現状の保育園整備の状況についても書かれています。

当初、2017年度までに40万人分の受入増を目指していた計画を、今回の騒動で50万人に上方修正することに言及するも、今度は保育士不足がより一層深刻になる見込であること、その原因が賃金の低さにあることなどが指摘されています。

 

最後に、この問題をどうすればいいのか、という問いに専門家がそのヒントを解答している記事をご紹介します。

 

「保育園作れよ」に共感の背景聞く 解決の手がかりは?:朝日新聞デジタル

 

この中で特に共感を覚えた内容を綴ってみます。

・(「待機児童ゼロ」を2001年に小泉政権が掲げてから約15年、なぜ待機児童をなくせないのか、という問いに対して)

 高齢者向けの政策に比べ、政府のやる気が中途半端だったように思います。高齢者の問題は、ほとんどの人が直面しますが、待機児童は、子どもがいる共働き家庭だけの問題だと見られてきた。そこだけ手厚くすると「不公平だ」という声があがるため、政治がアクセルを踏みきれない状況があったのではないでしょうか。

・(海外は違うのか、という問いに対して)

 日本では、保育所は親が働くための施設とみられていますが、海外では、乳幼児期の子どものよりよい発達のために必要な施設と考え、共働きではない家庭の子どもも通えるようにする動きが広がっています。日本でも、すべての子どもに保育を保障するという政策に変われば、保育所の量と質の両方について、もっと充実させようという方向になると思います。 

 

保育園に関わっていて思うのは、「小さい頃は親が子の面倒を『完全に』みるべきだ」という思想が強いということです。

事実、私もそれに近い想いを持っていました。

ただ、この記事にあるように、保育園や幼稚園が

「乳幼児期の子どものよりよい発達のために必要な施設」

であるという認識に立てば、おのずと考え方は変わってくるでしょうし、私も自分の考えに変化を感じています。

 

子どもがいかに育つか、それを大人はどう支援するのか、という点については人それぞれの価値観があると思いますが、保育園に限らず、幼稚園も学校も、そのことに携わる重要な機関として、その価値を認めあえる社会になればと願います。