今日は人材の活用という観点からニュースをお届けします。
今月から東京都多摩市立の小学校4校で始まった「放課後学習支援教室」。
授業以外の学習習慣を身に付けさせるために、5、6年の希望者を対象に週4日の補習を実施するという取り組みです。
補習の内容も学校側と調整しているそうなので、学習のPDCAサイクルを回せることが期待でき、なかなか素敵な取り組みだと感じました。
そしてこの取り組みを実践しているのが元教員や教員採用試験を目指す免許保有者ら。
つまり、現役の先生方ではない方の力を借りているわけです。
ですがその道のプロあるいはセミプロであることは事実ですので、内容面にも大きな不安はありません。
実は学校というのは人材の宝庫です。
なぜなら、人材の輩出こそが学校の本来の役割であり、その学校で育った卒業生一同、という特大の人材バンクを保有しているからです。
卒業生の力をいかに活用するか。
人材の発掘が企業活動における大きな課題である中、本来なら学校は大きなアドバンテージを持っているはずです。
が、学校ではこのような実例がそれほど多いわけではありません。
その理由は、「助けを求めるのが上手ではない」という学校の特質にあるように思います。
私の知る限り、応援者の力をうまく借りられる人が学校にはあまりいらっしゃらない印象があります。
その理由はいくつかありますが、その根源はおそらく「自らのプロ意識」ではないかと感じます。
自分たちで解決すべき問題は自分たちで何とかする、という気持ちはぜひとも持っておきたい一方、その応援を他者にお願いすることで「違った視点」「解決のノウハウ」などが手に入るのはもちろん、単にマンパワーを増やしたり、雰囲気を変えたり、言いにくいことを言わせたりといった、副次的な効果もたくさん得られるものです。
今回の事例では教員予備軍の皆さんの応援を借りているわけですが、こういったことも外部の視点からすればそれほど難しくなさそうなことなのですが、学校内部においてはしくみのうえでというよりも、心理的なハードルが高いのではないかと私などは感じてしまっています。
私学においても多様な人材が大勢集まる学校の特性を生かして、学校経営にも参画してもらうような取り組みが実践できれば…と願っています。
(文責:吉田俊也)