今週も早金曜日。毎週のことながら、その過ぎ去るスピードにため息が出そうになりますね。
さて今日は教育内容に関する記事を2つお届けします。
まずは私立小学校での独自化例です。
この記事に登場する茨城県水戸市・私立水戸英宏小学校の存在を私は知らなかったのですが、
その特色として
・「東大・医歯薬・難関大学を目指す進学重視型教育」を目標に掲げ進学指導に重点を置いている
→授業時間は公立小学校比3割増、1年生から外国人教員が英語の授業を行い、音楽や図工も英語で教えている。
・「校技」としてサッカーを取り入れる
→県内にJリーグチームが二つある土地柄から、サッカーを積極導入。
サッカーは瞬時の判断力や空間認知能力が鍛えられる競技とのことで、知力向上につなげる狙いもある、
と記事では伝えています。
ちなみに、同校の初年度納付金は77万円。開校2年目の現在も定員割れの状況とのことですが、
今後これらの特色が児童や保護者にどのくらい受け入れられていくのか、注目したいと思います。
次は学種問わずの実例です。
朝の読書、論語音読 日本語科新設…「国語力」強化校 英語偏重に警鐘
大阪府は特に、かもしれませんが、近時、英語教育に大きなスポットライトが当たっています。
府の教育行政がそちらに大きく舵を切っていることが主因とも言えるのですが、
とにかく英語教育の重点化を考える私学は相当数あるのではないか、と感じています。
一方で、外国語の前に国語力を鍛えないと意味をなさない、というこの記事にあるような意見もよく耳にします。
両者の記事からも言えることですが、教育内容として何が正しい、ということはなかなか言いにくいことだと思いますので、
各校が教育効果やその技法を検討し、自らの理念に沿ったカリキュラムを編成することが重要なのでしょうね。
この記事で紹介されている各校は、例えば進学指導であったり、読書であったり、古典であったり、
それらの切り口で特色化を進めている事例ということが言えます。
気を付けねばならないのは、「あれもこれも」と特色を打ち出すことで、かえってそのそれぞれの特色が
打ち消し合ってしまうということ。
街道沿いにある「何でも屋レストラン」のメニューにあまり惹かれなくなったこの時代だからこそ、
特色を絞り込む勇気が必要なのでは、と思います。
そして学内においても、特色が多ければ多いほど教職員の動きや意識が煩雑になってしまい、
どれも中途半端で終わってしまう…という危険性も否定できません。
何をどのように特色化するのか。
その具体的な道筋もぜひ描きたいところです。
(文責:吉田)