寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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どんな高2が将来デキる社会人? 就職後3年まで追跡 京大・河合塾調査

東京では桜が満開だとか。ここ大阪では、ボチボチ見頃が近づいているようです。


さて、今日は以前からちょっと温めていたニュースをご紹介します。

どんな高2が将来デキる社会人? 就職後3年まで追跡 京大・河合塾調査

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この調査は、高校2年、大学1・2・4年、そして社会人3年目に実施されるとのこと。

初回は今年の秋、大学進学率の高い約1500校を通じて約17万人に協力を依頼するそうです。

そして同じ生徒に社会人3年目まで調査を継続。

最後まで回答してくれる人数を5千~3千人と見込んでいるそうですので、

目論見通りいけばかなり信頼度の高い結果が得られそうですね。

ただ、質問項目は「学習やクラブ活動などへの時間配分」「海外で仕事をする意欲」

「成功した問題解決法を他の場面でも試すか」など毎回100項目以上になるとのことで、

回答者には結構頑張ってもらわないといけませんね。


私学とのかかわりの中で痛切に感じるのは、進路実績への意識の高さです。

それは保護者サイドもしかり、学校サイドもしかり。

ただ、ここで言う「進路実績」という言葉に、広義における「進路」が含まれるかというと、そうではないような気がしています。

つまり、進路実績≒進学実績≒学校全体での大学合格実績といった数式が成立しそうな、そんな現実を感じてしまうのです。

本来、進路というのはこんな狭い意味で用いられる言葉ではなく、

それぞれの生徒がそれぞれの持ち味や興味、強みを活かして未来へ歩を進めることを言うのであって、

その意味では現在の進路指導というのは甚だ狭義のものを指していると思えてなりません。

学校として、そして保護者として本当に意識すべきは、どの大学に行ったか、ということではなく、

どんな社会人に成長し、どんな人格を得たのか、という、もっとずっと広い意味での進路だと思うのです。


今回採り上げたニュースにあるような調査がどのような結果をもたらすかはともかく、

このような視点で学校の存在意義を確かめることは、本来なら各校において実行されてしかるべき、

とすら感じます。


学校にとって本当の意味での財産は、卒業生の存在。

社会人3年目まで、と言わず、その後もずっと、卒業生が社会でどのような活躍をしているのか、

ということを気に留めていくべきではないでしょうか。

(文責:吉田)