寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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大学進学率の地域差、20年で2倍

少々気になる記事に目が留まりました。

朝日新聞より。

大学進学率の地域差、20年で2倍 大都市集中で二極化:朝日新聞デジタル

 

同じテーマでもうひとつ記事がありましたのでこちらもリンクを貼っておきます。

家計に負担、遠い大学 地方の生徒「本当は行きたい…」:朝日新聞デジタル

(こちらの記事は、全文を読むのに会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

経済格差が教育格差を生んでいるのでしょうか。

大学進学率が地域によって大きな差になっているというこの記事。

読み進めていくと、その地域差は、県民所得の高低と似通った結果になっているとの指摘がありました。

『高校生の大学進学率の下位10道県の1人あたりの県民所得(11年度)は、30~40位台だった』

『下宿生の生活費(1カ月)は約12万円。自宅通学より平均約6万円多い。家賃が高い大都市での下宿はさらに経済負担が大きい』

『自宅から通おうにも地方は大学が少ない。文科省の調査結果によると、大学進学率の下位10道県では今春、地元大学に入学した総数は、各道県の高校卒業生数の10~30%台。高校生に対して、大学の数が少ないことが浮き彫りになった』

地方出身の私も、その状況は非常によく理解できます。

 

現代は様々な事柄で『二極化』がキーワードになる、と私は日ごろ感じています。

所得や産業もそうですが、教育もどうやらその状況に陥りつつあるような気配。

先ほどの記事では「都市圏と地方」という構図でしたが、都市圏の中でも、いわゆる「都心部と周辺部」で同様のことが起きかねない状況ではないでしょうか。

そしてそれは大学のみならず、高校を含めた若年学種においても懸念される事態です。

 

少子化の中で、ともすると「生徒の取り合い」という様相を示しがちな各校。

ですが、本当に大切なことは、その学校に通う生徒一人一人が、その学校に通ってよかったと思える、いわば「相性」のようなものではないでしょうか。

とすれば、沢山の生徒を獲得することが正解、というわけではなく、生徒と学校のミスマッチが極力少ない状況を作り出すことこそが求められるように思うのです。

 

そのためにも、御校がどんな学校であって、どんな生徒たちに来てもらい、その生徒にどんな姿になってもらうことを理想としているのか、といったことをきちんと発信し、呼応してもらうことが重要です。

本当の意味の学校の魅力化というのはそういうことではないでしょうか。

魅力を身につけ、その魅力を余すところなく発信できる…そんな私学でありたいものですね。

 

ちなみに、今回の記事のベースになっているのはこの調査結果です。

学校基本調査-平成26年度(速報)結果の概要-:文部科学省

ご参考までに。