次の学習指導要領、すでに発表になっていますが、
各校でも内容の把握とカリキュラムの再編成等、
動きを活発化されているところではないでしょうか。
古い資料にはなりますが、新要領に関する趣旨を
改めて押さえておくことにいたしましょう。
文科省HPより。
次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめについて(報告):文部科学省
資料は膨大です。
全部に目を通すことは難しいので、この中に紛れ込んでいる(?)、
「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめのポイント」
から、キーワードになりそうな箇所をまとめてみます。
一部言い回しを変えているところがありますがご容赦ください。
まずは方針から。
【改訂の基本方針】
・将来の予測が難しい社会の中でも、伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来を創り出していくために必要な資質・能力を子供たち一人一人に確実に育む学校教育の実現を目指す
・社会において自立的に生きるために必要な「生きる力」の理念を具体化し、教育課程がその育成にどうつながるのかを分かりやすく示す
・「何を学ぶか」という指導内容の見直しにとどまらず、「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」までを見据える
・子供たちと教職員のみならず、家庭・地域、民間企業等も含めた関係者が幅広く共有し活用することによって、学校や関係者の創意工夫のもと、子供たちの多様で質の高い学びを引き出す
①生きて働く「知識・技能」の習得
②未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成
③学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」の涵養・「アクティブ・ラーニング」の視点から、授業改善の取組を活性化
・すべての教職員が校内研修や多様な研修の場を通じて理解を深める
・各学校における「カリキュラム・マネジメント」の実施を促進し、教育課程を軸とした学校教育の改善・充実の好循環を実現
・教員定数の拡充など指導体制の確保、教材の改善・充実、ICT環境の整備など、必要な条件整備についても整理
続いて方向性について。
【具体的な改善の方向性】
1.学習指導要領等の枠組みの見直し
2.教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメント」
3.「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)
4.学校段階別の改善の方向性
一人一人の学びの成果を、学校段階を越えてつなぐ…「キャリア・パスポート(仮称)」の活用
(1)幼児教育
5歳児修了時までに育ってほしい具体的な姿を明確にし、幼児教育の学びの成果が小学校と共有されるよう工夫・改善。
(2)小学校
時数としては中学年・高学年においてそれぞれ年間35単位時間増→地域や学校の実情に応じて組合せながら弾力的な時間割編成を可能としていく
(3)中学校
人間関係の構築や自己肯定感の向上等は、部活動の充実の中だけで図られるのではなく、学校の教育活動全体の中で達成されることが重要
(4)高等学校
育成を目指す資質・能力を明確にして教育課程を編成→教科・科目構成を見直し
全体から感じる印象として、
「目標を定め、そこに向かうための方法論を確立する」
というアプローチを行っているように感じます。
個性が多様化し、学びも多様化する中において、
学校が提供する教育活動もある程度の多様化が必要であり、
「ひとつの答え」に収斂するというこれまでの考え方では足りない
ということなのでしょう。
これからますます、学校という教育機関に携わる
教職員各位の人間力が必要になる気がしてなりません。
(文責:吉田)