ここ大阪は昨日梅雨明けの発表があったとのこと。
夏の日差し、夏の暑さがやってきた気がします。
熱中症の方もたくさん出ているようですので、くれぐれもお気を付け下さいね。
さて、ここのところ、決算書分析にいそしんでいる私。
先月で決算が確定し、やれやれと思っていらっしゃる事務職員さんもたくさんいらっしゃることと思いますが、
ぜひこの機会にその中身も確認しておかれるのが良いでしょう。
一度しまいこむと、再び決算書を引っ張り出すのに大いなる労力と精神力を使うことも想定されますので。
決算数値を分析する際のポイントはいくつかありますが、私がその中でも特に重要だと感じているのが
「比較対象」
です。
前期の決算書に書かれた数字、あるいはそれらを加工して得られた指標ごとの数字が果たして良いのか悪いのか。
その良否判断の基準となるのがこの「比較対象」ではないでしょうか。
そして通常、比較対象としてよく用いられるのが「業界平均」。
例えば同一学種の全国平均や都道府県平均。
他業界と比較すると、学校は業界平均を把握しやすい(つまり統計が充実している)業種だと思います。
中でも、市販されている手軽さからすると、日本私立学校振興・共済事業団さんが発行していらっしゃる
「今日の私学財政」
は業界平均を把握するのに有用な資料です。
そして、業界平均以外の比較対象として考えられるのは
「ベンチマーク」。
つまり、自校以外の特定の学校を比較対象として採り上げ、比較してみるという方法です。
ただ、これらの比較対象には「手軽に比較できる」というメリットがある一方で、
「所詮自校とは内外の経営環境も目標設定も異なっている」
という、無視できない要素があります。
よって、比較する際にはその点を心得ておく必要があります。
そこで、個人的に私がおススメしたい比較対象は「自校の中で見つける」という方法。
つまり、自校の「過年度」と「目標(予算)」との比較です。
例えば人件費比率(=人件費÷帰属収入)ひとつをとってみても、
業界平均より自校のほうが高いからダメ!というのではなく、
・過年度からの傾向はどうか。増加傾向なのか、減少傾向なのか。その原因は何か。
・予算に対してどうであるか。過大なのか、過小なのか。その原因は何か。
といったことを分析していくことによって、自校に適した財務分析ができると考えています。
自分たちの状況が気になると、他者との比較をしたくなるものです。
が、もちろんそれもひとつの有用な資料になり得ることを肯定しつつ、
肝心なことは、自分たちのなりたい姿との比較を行うということ。
決算書分析の軸を「自らの過去と未来」に置いてみることをぜひともお勧めしたいと思います。
(文責:吉田)