昨日は大阪マラソンでしたね。
お付き合いのある方もたくさん出場され、皆さん大活躍されたようです。
秋晴れの空もきっとランナーたちを後押ししたことでしょう。本当にお疲れ様でした。
さて今朝の朝日新聞の朝刊に、小中一貫校に関する調査結果の詳細が掲載されていましたので本日はこれを採り上げることにします。
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この調査は全国に存在する100校の公立小中一貫校に対して、その学校の成果や課題などを校長に聞いたもので、概ね以下のような結果になったと報告されています(新聞記事を筆者なりに要約したものです。太字も筆者による)。
【成果】
・学力が向上した(30校)…教科担任制の導入、小中教員の連携による教材研究の深化等による成果として
・中1ギャップが解消された(23校)…滑らかな接続、大きな環境変化の緩和等による成果として
・不登校が減少した(14校)、問題行動が減った(10校)…早期の情報交換により適切な対応がとりやすい等
・中学生が成長した(30校)…異学年との交流行事などを通しての想いやりや模範を示す姿
・教員の指導力が向上した(22校)…小中教員の学び合い等
・地域や保護者との連携が強まった(10校)
【課題】
・6、7年生が自覚を持ちにくい(13校)…小学校高学年がリーダーの役割を発揮できない、中1生が中学生の自覚を持ちにくい
・人間関係が固定化してしまう(6校)…9年間同じ学校に通うことになるため
・小中間の教職員の意識の壁が高い(22校)
・教員異動のため成果と課題の継承が難しい(7校)
・よりいっそう多忙になる(18校)…会議の多さ、共通理解の時間確保が困難
・中学教員の負担が増える(11校)、時間割編成が難しい(11校)…教員免許上の課題、持ち時間調整
・行事の精選が必要になる(20校)
・PTA等の保護者組織の統合が必要(9校)
学校の接続に関しては、これまで「中高一貫」が先行していた感がありますが、中1ギャップという問題が顕在化するにつれ、特に市町村が中心となった小中一貫校が出現してきました。
が、記事中の識者のコメントには、現実としての公立小中一貫校は学校統廃合問題に端を発したものが多数を占めている、とあります。
少子化が進む中で学校の数が余ってくる現象は今後ますます進むのかもしれませんし、そうなると小中一貫校もその数を増やしていくのかもしれません。
そして、本日の記事は私学にもたくさんの気付きをもたらしてくれるような気がしてなりません。
例えば成果のひとつである「児童生徒の学力向上」は「教員の指導力向上」と一体の関係だと思われますが、教員の指導力向上をもたらした背景は、それまで異なる組織であった別の学種からの学びが大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
つまり、「自分たち以外」から学ぶ機会というのは貴重なものだということではないでしょうか。
同時に、依然として存在している小中間の壁がその学びを阻害している可能性があることからしても、立場の異なるメンバーとの対話が組織を成長させる大きな可能性を持っているように思えてなりません。
一方で、多忙な現状を打破するために必要な施策が何か、ということは真剣に考えねばなりません。
私学でも、放っておけば業務は増える一方です。早めの対応が必要でしょう。
以上、本日は小中一貫校について採り上げてみました。
(文責:吉田)