4月に入って3日目。新人さんは緊張の連続で疲れが出始める頃かもしれませんね。
今年の曜日の並びは新人さんにはちょっと酷かな?と思いつつ、少しずつ肩の力が抜ければいいな…と願っております。
さて、3月中に出ていた記事なのですが、読むのに少し時間がかかってしまって本日のアップです↓
文科省HPを拝見すると、この資料について
『アメリカ合衆国,イギリス,フランス,ドイツ,ロシア連邦,中国,韓国を中心に,
諸外国における教育の普及,教育諸条件,教育費等の状況を統計数字を用いて示しました』
とあります。個人的なことを言えば、諸外国の学校統計に触れる機会はほとんどないので、
この資料くらいはちゃんと読んでみようと、週末に頑張ってみたというわけです。
そして、これもあくまで個人的な感想ですが、これまで「なんとなくこんな感じかな」と思っていたことが
実情に近かったことが分かったので、ちょっとほっとした(?)ところです。
かいつまんで、それぞれの内容を見ていきましょう。
ちょっと長くなりますので、今日と明日の2回に分けてお届けすることにしましょう。
【第1部 教育の普及】
1 就学前教育の在籍率
日本で言うところの「保育所と幼稚園に在籍する園児の割合」。
日本は概ね9割。韓国が8割強。フランス、ドイツは9割を超えています。
2 義務教育後中等教育への進学率
日本で言うところの「中学卒業後、高校や専修学校へ進学する生徒の割合」。
日本は98%台で推移。ドイツ、韓国はほぼ100%となっています。
3 義務教育後中等教育の在学率
上記2が「進学率」だったのに対し、こちらは「在学率」です。
18歳以上の方の在学もカウントしているため、日本では100%を超える値となっています。
4 高等教育への進学率
日本で言う「大学・短大・高専への進学率」。
大学進学率だけで言えば、日本は51%、韓国は71%、アメリカが74%、オーストラリアは96%!
なお、この統計で同時に示されている「入学年齢」を見ると、日本はほとんどの学生が19歳までに入学しているのに対し、
他の国では入学年齢に幅があり、世界的には20代の新入生が多数派、というのが興味深く感じました。
5 高等教育の在学率
こちらは高等教育(大学等)の「在学率」。
国によってかなり差があり、日本は7割強、アメリカは100%前後、ドイツは5~6割、韓国は120~130%。
ただし韓国は在学者のうち3割が休学者とのこと。兵役義務による影響が指摘されています。
6 高等教育在学者の人口千人当たり人数
「全人口に占める大学等の在籍者の割合」ですね。
日本は専修学校まで含めて3%程度。アメリカは6%強。低いのはドイツの2~3%、高いのは韓国で7%強。
これが大学院レベルに絞り込まれると日本は0.2%まで下がります。ちなみにアメリカ、イギリスは1%弱、
韓国は0.6%となり、各国による大学院の位置付けの違いが推察されます。
7 学部学生に対する大学院学生の比率
この統計値はフランスが突出しており7割を超えています。日本は1割。韓国は1割強です。
8 高等教育在学者の専攻分野別構成
日本は文系が半数。工学系が15%と意外と少ないことが現代を物語っているようにも思います。
9 学位取得者の専攻分野別構成
学位取得者の割合と8を比較すると、各国ともに文系の比率が上がり、医歯薬計が下がっています。
学位取得の困難さを示しているのでしょうか。
【第2部 教員】
10 教員一人当たり児童・生徒数
意外な気もしますが、日本はOECD平均とよく似た水準です。
11 1学級当たり児童・生徒数
こちらは先ほどの10とは異なり、OECD平均よりもかなり大きい数字になっています。
先ほどの統計が平均的、こちらが平均より大きいとなると、日本の場合、
「クラスに配属されない先生の数が多い」ということになるのでしょうか。
12 女子教員の比率
この統計を調べてくれた同僚から、
「この項目を集計する意味は何なのかあまりわかりませんが、
女性の社会進出や結婚・出産後の就業率などと関係があるのでしょうか」とのコメントが。おそらくそうなのでしょう。
日本の場合、就学前教員数は97%と高く他国とも遜色ないのですが、初等教育以降は一気に下がり、最下位レベルです。
以上、本日はここまで。
残りは明日、採り上げたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
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