大分県・中津南高耶馬渓校(小林啓子校長、110人)は、科学部の生徒たちが小学生にホタルの生態を教えたり、古里の自然を学ぶ授業「耶馬渓学」を設けたりしている。
そうした取り組みが評価され、11~12日に東京で開かれる「高校生環境活動発表会全国大会」(環境省など後援)に九州代表として出場し、生徒たちが活動内容を発表する。
科学部員は部長の江島裕太さんら8人。部員たちが2002年から近くの城井小に出向き、年に数回、先生役になって「ホタル授業」を行ってきた。
授業の一環で5、6年生と一緒にホタルを採取。産卵させて幼虫が大きくなる様子を観察した後、親がいた川に放している。
この際に「ホタルは乱獲しないように」「餌になるカワニナはよその川から持ち込んではいけない。地域独自のホタルではなくなるから」などと教えているという。
一方、耶馬渓学は、地元の自然環境を学び、古里に対する誇りを持ってもらおうと、2年生の理科の選択科目として昨年4月に設けた。授業は毎週2時間。絶滅危惧(きぐ)種のオオイタサンショウウオを育てたり、中津市を縦断する山国川にまつわる歴史や文化を学んだりしている。
発表会の九州・沖縄ブロック大会は昨年12月に開かれ、上位2校に選ばれた。全国大会には3年生部員6人が出場する。
城井小でホタル授業に参加した佐藤心平さん(18)は「ホタルの生息にはきれいな自然が必要なため、学校だけでなく、住民と一緒に清掃活動も行っている。地域を挙げての取り組みを紹介してきたい」と張り切る。江島さんと江口茜さん(18)は「9年間の科学部の活動と、みんなの町を愛する心を全国にアピールしたい」と話している。(柿本高志)
(2011年2月9日 読売新聞)
「こんな田舎には何にもないから…生徒だって集まってくれない」とお嘆きの学校の皆さんは、その「田舎さ」を強みにできないか、一度考えてみてはいかがでしょうか。アクセスが悪い、市場が狭い、人口が少ないなどなど…挙げればきりがないその『劣悪』な環境は、単に自分が『劣悪』だと思っているに過ぎない…ということもよくあることです。「恵まれていないこと」を「恵まれていること」に変えられるのも、そんなに難しいことではないのかもしれません。(JTC/吉田俊也)