昨日参加したある勉強会で、木造建築のお話を拝聴しました。
木造と鉄筋、どちらのほうが火に強いか?
というクイズを出されたのですが、指名された人がそうだったように、私も含め、当然鉄筋のほうだろうと思った人が多かったように感じました。
ところが正解は「木造」。
なんでも、鉄筋は熱が加わるとぐにゃりと曲がってしまうため、逃げる時間の長さを考えれば木造の方が安全である、との説明がなされ、なるほど、と思った次第です。
そんな折、文科省からもこんな情報が出ていることに気が付きました。
文科省HPからのリンクです。
「木の学校づくり-木造3階建て校舎の手引-」の作成について:文部科学省
このページには次のような掲載趣旨が記載されています。
・平成27年6月に改正建築基準法が施行され、これまで3階建ての校舎については、「耐火建築物」としなければならなかったが、規制緩和により一定の延焼防止措置を講じた「1時間準耐火構造の建築物」とすることが可能となり、木造での整備も容易になりました。
・しかしながら、1時間準耐火構造による木造3階建ての校舎は新たな規定となることから、現時点では実例がないため、特に防耐火に係る部分の仕様や納まり等について整理し明確にすることが必要と考えました。
・このため、検証のための設計(試設計)を行い、それにより得られたポイントや建築計画の留意事項等を手引としてまとめました。
冒頭にあるように、規制が緩和され、校舎の木造化がこれまでより容易になった、とのことです。
3階建てとなると、やはり万一の際の避難のことが気になるわけですが、そちらへの配慮を踏まえた留意点が今回の情報には掲載されているようです。
私学の場合、特に都心においては3階建て以上の校舎が当たり前に存在していますので、木造かというのはなかなか難しいことだろうとは思いますが、今後少子化が進んだ際に、校舎のあり方もこれまでとは違ったものになる可能性は十分あります。
最近は地産地消の意識から、地元の材料を使ってものづくりを行うという活動も増えているように感じます。
関与先の学校でも、校舎建替え計画が進行していたり、あるいは実際の建替えが行われていたりと、その更新のタイミングを迎えているケースがよくあります。
今回の資料が役立てばと願っております。
(文責:吉田)