未来工業という企業をご存知でしょうか?
岐阜県に本社を構える電気設備資材や給排水設備のメーカーで、
これまでにテレビや雑誌で取り上げられることも多く、
ご存知の方も多いかと思います。
この企業の特徴は
・1日の就業時間は7時間15分
・原則残業禁止
・年間休日135日
・有給休暇は最長40日
・営業ノルマなし
・クラブ活動費の補助
・5年に1度、海外へ社員旅行
・年功序列
(未来工業ホームページより抜粋)
と、非常に羨ましいばかりの好待遇です。
創業者の山田昭雄さんは2014年に逝去されましたが、
創業以来50年以上赤字はなく、現在も業績は好調のようです。
先日も未来工業について次の記事を目にしました。
この記事では、未来工業の原動力である「やめる力」について
取り上げています。
少しでもムダかなと思ったら一度やめてみることを全社的に
実践しているそうで、業務上のムダをやめることはもちろん、
前述の「原則残業禁止」や「ノルマなし」もその結果だそうです。
また、記事には創業者の山田昭雄さんの生前の語録として、
以下が掲載されています。
「職場で『これはムダかな?』と思っても、実際にやめてみる人は圧倒的に少ないもんや。やめると『次の方法』を考え、実行する必要がある。だから、みんな面倒臭がって『やめる』のをやるんや」
「『ダメなら元に戻せばいいんや』と考えられれば、やめることが面倒くさくなくなるやろ?」
「そのうちムダをムダとも思わなくなる」
「その結果、仕事は『ムダと非効率のかたまり』になる。そもそも仕事の約9割は『職場に代々伝わるムダな慣習の集合体』と思わんか?」
これらは、おそらく多くの職場に当てはまる話ではないでしょうか。
いきなり残業をやめてしまうのは難しいでしょうが、
業務上のムダや非効率を洗い出し、より良い方法を考えることなら
すぐにでも取り組めそうです。
目的が不明確な業務や長期間に渡って同じ方法で実施されている業務は
特に新たな方法を考えると同時に、
業務そのものが陳腐化していないかを確認する必要がありそうです。
また、「ムダをムダとも思わなくなる」状態に陥らないためには、
業務の目的を常に認識し、最良の手段を考えながら業務にあたること
が必要です。
ただし、自分自身ではそのような状態に陥っていることに
気付かないこともあるので、周囲の人に客観的な感想をもらう
のもいいかも知れません。
これまで当たり前のように行ってきたことを「やめる」のは
簡単なことではないかと思いますが、
限りある経営資源の有効活用や業務効率向上のためには
未来工業の「やめる力」は非常に参考になりそうです。
(文責:木村)