「課題は大きく分けると3つある。
1つは、資金をどうするか、ということ。
2つめに、人材をどうするか、ということ。
3つめに、施設をどうするか、ということだ」
昨日、ある法人さんに設けられた、プロジェクトチームの会議に参加してきました。
現時点でその詳細をお伝えすることはできませんが、ひとことで言うなら、
「教育関連事業の経営母体を変更する」
という案件に関するミーティングでした。
学校法人さんではありませんが、教育に深く関連する事業であり、ゆえに社会性の高い事業でもあります。
その経営母体を変えるというのは非常に重い内容ではあるものの、
正直なところ、今後学校法人さんをめぐっても同様の事態が少なからず起きるであろうと思われる事象です。
(というか、実質的にはすでに相当数起きていると実感しています)
冒頭に引用したコメントは、その会議で発せられた論点整理の一言です。
経営の3要素として「ひと・もの・かね」とよく言われますが、
新たな経営体を稼働させる際にはどうしてもこの3つが大きなポイントになります。
いや、「新たな経営体を稼働させる際」だけでなく、組織運営においてはそのステージを問わず、
この3つが大きなポイントになることは間違いありません。
そしてこのうちの2つめ、「人材」に関してはこんな言及もありました。
「経営者をいかに確保するか。
つまり経営を担う人材についてきちんと考えておく必要がある」と。
学校においては、教員が長年の勤務の後、校長や理事長といった経営者になられるケースは少なくありません。
が、教科教育やクラス運営の経験を積み重ねたとしても、経営者としての資質が十分に備わるかと言えば、
必ずしもそうではないところに、学校経営者の確保の難しさがあるように思います。
私が属する税理士業界においても同じこと。
いくら税金計算のプロであっても、経営全般のアドバイザーになれるかと言えばそうではありません。
これと同じように、それぞれの役割において「専門性」は必要なのではないか、
つまり、組織を経営するという人材には、相応の意識と知恵と技術が必要なのではないか、と思うのです。
学校経営における経営者をいかに確保するか。
このことは言い方を変えれば、「学校経営にはそれに応じた専門性が必要である」と認識されている、ということでしょう。
以前は特段何もしなくても学校は運営できた。けれども今は誰でも経営できるわけではない。
「運営」と「経営」という言葉の差が、物語ってくれているのかもしれません。
運営=団体などの機能を発揮させることができるように、組織をまとめて動かしていくこと。
経営=事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。
(デジタル大辞泉より)
(文責:吉田)