寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

再来年度導入?学校選択制(大阪市)

大阪府立高校普通科の学区撤廃に続き、

気になる記事を見つけました。


早ければ再来年度導入 学校選択制

http://www.pressnet.co.jp/osaka/kiji/130323_01.shtml


大阪市の各区内にある公立小中学校のうち、

 ①好きな学校に行ける「自由選択制」

 ②隣接する学校から選ぶ「隣接区域選択制」

 ③あらかじめ決められたブロック内から選べる「ブロック選択制」

などいくつかの枠組みがあり、

制度導入の可否も含めて、各区長が決めた枠内で学校を選べるようになるそうです。


ただし、制限事項もたくさんあるようです。

 ①通学は、原則徒歩で自転車は禁止。

  バスや電車の利用が認められた場合は、保護者負担。

 ②一つの学校に希望が殺到しても、原則増設はしない。

  また、生徒の数が学校によって激変すると、学校運営に支障が出るので、

  一つの学校が他の校区から受け入れる生徒は

  「1学級分(35~40人)」のみに制限する。

 ③希望者が上限を上回った場合は公開抽選。

  抽選漏れの可能性を踏まえ、第1・第2希望と複数の希望を出せるのが、

  全国初の「大阪方式」。

 ④すべてで抽選に漏れても、自分の住む校区の学校には必ず行ける。


全国では、この制度を導入している自治体は、

小学校240(14.2%)、中学校185(13.9%)。

私の印象では、「まあまあ多い?」といった感じです。

導入した結果、肯定的な意見がある一方で、

「学校と地域の関係が希薄になった」などの理由で、廃止する動きもあるようです。


記事を読んでいくと、結局この制度を導入するメリットをそれほど感じません。

どちらかというと、生徒目線(重視)より保護者目線(重視)をいう

印象を受けました。


想像してみると…

  行きたい中学校の第1・第2希望を提出。

      ↓

  第1希望した中学校に希望者殺到により抽選。

      ↓

  落選。第2希望した中学校も希望者殺到で抽選。

      ↓

  落選。地元の中学校に行くことに決定。


実際の流れとは違うと思いますが、

すべての希望が叶わなかった場合はこんな感じでしょうか。


学校や教育委員会は、学校の情報冊子を作成し情報公開をする。

抽選となった場合には、おそらく市の職員や教育委員会

業務負担も増えるでしょう。

いずれも時間・労力・コストがかかります。


子供・保護者側でも、

時間と労力をかけてきたのに希望が叶わなかったとなると、

気になるのはそうなった時の精神的ダメージです。

保護者もそうですが、子供達はもっとです。

そして、「希望した学校に決定」「地元の学校に行くことに決定」

どちらの場合でも、

仲の良かった友達は別の学校に行くことに…なんてことも起こりうるのですから、

学校に行く楽しみも減るような気がします(少なくとも行く前のワクワク感は)。


「公立だから住んでいる地域の学校に行くのが当たり前」だった時代は終わり、

自分で、将来を見据え、学校を選ぶ時代に変わってきたのかもしれません。

しかし、そんな選択を、すべての保護者・子供達ができるのでしょうか。

私立ですでに同じような制度があるのですから、

公立までそうならなくてもいいのでは?と思います。

「一体どこの学校に行ったらええねん!!」ってなりそうです。