寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議(第7回) 議事要旨

文科省HPに標記掲載されておりましたので、注目したい発言を中心に、以下一部抜粋にて引用いたします。

●学校が抱えている課題の中で、これまであまり問題がクローズアップされていないものがある。1つは、学校は経験してきたことには強いが、経験していないことには極めて弱いということ。また、今後10年を見越したときに、今、30代、40代が希薄な中で、どう管理職を確保するのかということ。それらを踏まえたときに、これまでの管理職養成の仕組みが妥当であったのかどうか、また、学校にかかわるさまざまなスタッフのあり方やリクルートの仕方についての議論がまだ十分されていない。

●地域にかかわることで、たくさんのさまざまな人との合意形成の仕方や一緒に仲よく活動するやり方、信頼関係の結び方を学ぶことが一番大きな学び。

●学校をコミュニティに対して開くことが、子どもの教育にも、地域にとっても大変いいことだと、理念としてはわかるが、具体的にどのように進めていくのかという段階では、現状と理想の間にすごく大きな格差がある。その差を越えていくために、学校は、子どもの教育という閉じた空間ではなく、地域で子どもの教育を考えて支えていくための機能的空間であり、物理的空間であるという位置づけを示していくということが必要。

●学校のスタッフの在り方も、学校の在り方や地域の在り方を考えるに当たって、もう一度考え直さなくてはいけない。これからの学校のスタッフの在り方として、ただコーディネーターを設ければ良いだけではなく、もう一度、組織の構造自体も見詰め直さなくてはいけないところがある。

●ここで語られていく学校というものが、一つ一つの学校にまだとどまっているようなところがある。それぞれの学校の持つよさをうまく組み合わせていくような前提で、学校間連携も示されていったらいいと思う。

●コミュニティ・スクールに限らず、地域とともにある学校というのは、確かに日本では多いと思うが、中学校では少ない。小学校は明治以来の歴史の中で、地域と一体化した村の学校としての地位を持ってきたが、中学校のほうは戦後の学校として、どうしても地域と遊離してしまっている。さらに高校まで考えていくと、とても地域とともにあるということのイメージが具体化できないといったことに対して、どういう手を打っていくのかということがさらに求められる。

●教員養成、教職員研修、地域とともにやる研修を大事なこととして位置づけていくことが重要。「管理」から「マネジメント」への意識改革には、マネジメントの組織のつくり方と研修のあり方というのが大きな柱になる。

学校評価は形をつくるところまでは来たけれども、その形が実質、改善につながっていくという点については、まだ十分手が差し伸べられていない。何をどうすることで、状況を動かしていくか、その「何を」というあたりが提起できればと思う。

●学校は、企業とは違い、グッドプラクティスがなかなか普及しない点が問題と思っていている。学校選択制等の競争原理を入れたらどうかという提言を産業界からはしているが、どうもうまく動いていないというのが実態。そう考えると制度的な枠組みをきちんとしていくことが重要となり、そういう意味でも、今回、コミュニティ・スクールという方策をきちんと打ち出して、地域に開かれた学校というものを制度的に位置づけていくという方向は、非常に正しいと思う。

コミュニティスクールのしくみを中心に議論されていますが、もっと大きな「学校のマネジメント=経営管理をどうするか」というところにも言及がなされています。教育というサービスを提供する企業体としての経営力をもっと高める必要性をひしひしと感じている私です。(JTC/吉田俊也)