組織っていったい何なんだろう。
そんな問いがぴったりきそうなニュースが今朝、流れていました。朝日新聞より。
NHK理事10人全員「辞表出した」国会で答弁次々
http://www.asahi.com/articles/ASG2T3C9DG2TUCVL003.html?iref=comtop_list_cul_n03
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NHKの公共放送としての云々、というのはここではさて置き、ひとつの事業体、ひとつの組織として…という観点から、少し感じたところを記したいと思います。
組織には3つの要件がある、と経営学者のバーナードは言っています。
1つは共通目的の存在。
構成員が特定の目的を共有していることが組織には求められます。
1つは協働意欲。
構成員どうしが共に働きたいという意欲を持って、目的達成を目指すことが組織には求められます。
1つはコミュニケーション。
構成員がそれぞれに意思疎通を図りながら活動することが組織には求められます。
翻って今回のNHKの話。
共通目的は存在している(少なくともそう思いたい)のですが、あとの2つはどこに行ったでしょう。
会長は理事の辞表を取り付け、理事は会長にこんなことをされたとあげつらう。
そしてこのようなことが組織内部で論争されたのではなく、いきなり国会というオープンな場で披露されるという事態。
会長も理事も損をする、挙句の果てには組織全体の信頼を失墜することを、構成員は分かっているのでしょうか。
ですが、このようなことはNHKに限ったことではありません。
傍から見ればすぐに気付くことが、組織内部にいると気付かないというのは珍しいことではありません。
営業先で、自社の社長のことを平気で悪く言う営業マン。
役員の無能さを自慢げに披露する中間管理職。
上司との軋轢をいとも簡単に暴露する社員たち。
自分は気付かないけれど、その醜聞はしっかりと組織力を低下させています。
さて学校はどうでしょうか。
知らず知らずのうちに自らの組織の信用を失ってはいないでしょうか。
組織の構成員ひとりひとりが心底組織を信頼しなければ、言動に綻びが出るのは自然なことです。
これを権力で締め付けることが逆効果を生むことはもはや誰しもご存知でしょう。
そしてそのためには、組織も構成員を信用することが不可欠です。
組織の3要素を満たす活動ができて初めて組織と言える、そのことを忘れずにいたいものですね。
(文責:吉田)