寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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原発30km圏私立高が全面休校…募集見送りへ

 東京電力福島第一原発から30キロ圏内にある唯一の私立高校、松栄高校(福島県南相馬市原町区)が休校状態になっている。

 県立の各高校は、隣接する相馬市の県立高校に間借りして授業を行うサテライト方式で存続しているが、私立校のため、他校と連携がとれなかったことも一因。現状では、来年度の募集について見送る方針という。

唯一の私立

 運営する学校法人松韻学園によると、松栄高校は、原発から約22キロの緊急時避難準備区域内にあり、電気科、機械科、総合学科普通科に計約110人が通う。3月11日の震災・原発事故後、生徒40人を同法人が運営する兄弟校の学法福島高校(福島市)に編入させたが、他の生徒は県外の高校や県内の公立高校に転校した。7人の教諭や講師は、自宅で待機している。

 緊急時避難準備区域内にある原町高校や相馬農業などは、サテライト方式をとり、相馬市の相馬高校などで授業を行っている。松栄高校は私立で、第一原発に比較的近いことから、生徒の安全を考えて当面、休校とすることを決めた。

部活動盛ん

 同校は、1957年に原町工業高校として開校し、卒業生は8000人を超す。昨年、全国168チームが参加して行われたエコカーレース「本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会」の高校クラスで、エコノパワー研究会が3年ぶり2度目の優勝を果たすなど、部活動も盛んだった。

 例年は、8月に市内の中学校への募集活動を行うが、今年は見送った。同法人の佐々木一彦総務部長は「最終的な結論は9月に出すが、市内に子供が戻っていない現状のままでは、来年度の募集は行えない」とし、今後、賠償について東京電力と協議していく方針。佐々木部長は「これまで多くの卒業生を出してきた。街の復興が見えず、学校を再開できないのは残念で仕方がない」と話している。

(2011年9月1日 読売新聞)

これは大変な事態ですね。連携する学校がないと、生徒達は学校に行くことすらできなくなってしまうという実例だと思います。危機管理と一口に言ってもあまたの事例を想定する必要があり一筋縄ではいかないと思いますが、学ぶ『場』が失われる危険性はいち早く取り除かねばなりません。全国の私学が一刻も早く協力・協調されることを願わずにはいられません。(JTC/吉田俊也)