物価高の影響もあるとは思いますが、
それ以前の根本的な課題もありそうです。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
子どもの部活動にかかるお金に悩む保護者が目立つようになってきた。スポーツ用具などに加え、試合・発表会や合宿へのバス代など遠征費が増加。担い手を学校から地域に移す動きに伴い、費用負担が増えるのではと危ぶむ声も聞かれる。状況を放置すれば、家計の経済力の差が子の「体験格差」に直結しかねないとの指摘も出ている。
野球用グローブ、テニスラケット、水着、競技用靴は
2020年に比べ軒並み約13~24%上昇しており、
また日銀の企業向けサービス価格指数では、
遠征などで必要な貸し切りバス代やスポーツ施設費も20~30%高。
他の物品類より総じて高い推移を示しているようです。
通常、こういったスポーツ用具は一般人にとって
趣味や余暇を楽しむためのものと位置付けられますので、
経済的な余裕が一定程度あることが前提、とも言えるでしょう。
ところが部活動は決してそんなことはありません。
家計を直撃する原因の一つになってしまっているのが現実と言えそうです。
ただ、記事にはこんなエピソードが掲載されてもいます。
「例えば、競技用スパイク一つでも種目によっては
競技場が芝か土かなどの違いで複数が必要で、
定期的な買い替えを求められる例も多い」
部活動の種類によってもお金のかかり方はずいぶん違うと思いますが、
それ以上に差が生まれやすいのが「指導者による指導内容」ではないか、
と自らの経験を通じて感じます。
勝つためにはその道具では不十分だ、
という指導が行われる例は決して少なくないと感じており、
そのことが生徒や家計の負担を大きくしている面もあるでしょう。
私学では部活動に注力されているケースは決して少なくありませんから、
特に注意が必要ではないでしょうか。
この記事では、部活に詳しい日本総合研究所の蝦名大智氏、
コメントを引いたうえで、こう書かれています。
蝦名氏は「従来の部活の枠組みを見直し、地域のボランティアらも含めて、現状より『ライト』な活動を幅広く提供すべきだ」と訴える。ある特定の部活に絞って長期間参加し続けるのではなく、短期間に色々なスポーツや文化活動を体験できるようにする。現状ほど専門的な用具をそろえなくていい活動も準備する。選択肢を広げ、多様なメンバーが参加できる場を想定する。
早大の中澤氏は「現状の部活システムを大きく変えなくても対応できる可能性はある」と強調。「部活参加は自由であると本質的に保証し、米国のような『シーズン制』を導入してはどうか」と提案する。参加するかはその子の意思に委ねることが大前提。そのうえで春は野球、夏はフットボールなど、季節ごとに活動を変えていく。部員減少で成り立たない競技や活動も一定の参加者を確保できるかもしれないという見立てだ。
将来プロを目指すような生徒や家庭に関してはハードな活動が前提となる一方で、
大多数の生徒及び家庭にとっては、部活動の楽しさや教育的な意義こそが
重要なのであって、強度の高い練習や、勝利至上主義は
特段必要なものとはならないのではないか、と思います。
仮に部活動による負担が大きくなれば、
部活動を続けられない、あるいはそもそも始められない、
といったことが発生するでしょう(既に発生しているようにも思います)。
そして昨今はこういったことが転退学にまでつながってしまうことも
心配せねばならないようになってきている、とも思います。
自校園の部活動のコストがどのくらいになっているのか、
校園が負担されている金額、保護者が負担されている金額のいずれもを
明らかにし、あるべき形を模索いただければと思います。
(文責:吉田)