しばらくぶりにその武雄市内の学校の動きを採り上げようと思います。
始業前に民間塾手法の授業 佐賀の小学校で公開 : 教育 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
民間塾による学校授業への参入として話題になった件が現在試行されているわけですが、その実情に関する記事が出ていました。
ポイントは以下の通りです。
・1回の授業を数分~20分ほどで区切り、短時間で複数のカリキュラムを実施する形で実施
・これは武雄市と連携する学習塾「花まる学習会」の特徴的な教育手法の一つ
・短時間カリキュラムの内容は音読・計算ドリル・精読など
・短時間で取り組むことで、子どもたちを飽きさせず、集中させながら思考力や記憶力などの能力を伸ばす効果があるとのこと
・6年生のある児童のコメント「15分間で色んなことができ、ゲーム感覚でやれる。普段、ずっと鉛筆を持ってプリントの問題を解くよりもとても楽しく、長続きしそう」
・校長コメント「今後の課題は、継続する中でいかに単調にならずにできるか」
・この形の官民連携は、11月上旬に2、3の導入小学校を選び、通学希望者を全国から募る
・選定校には花まる学習会のスタッフ1人が原則常駐し、教員と一緒に授業内容を検討
もうひとつ、こんな記事も同じYOMIURI ONLINEに出ていました。
小1プログラミング授業公開…佐賀 : 教育 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
この授業は論理的な思考力や、新しいものを創り出そうとする力を身につけることなどを目標として行われているそうで、ソーシャルゲーム大手のDeNAが専用のアプリケーションを開発し、東洋大が効果を分析する産官学連携の実証研究の一環とのことです。
私が感じたことは大きく2つ。
1つは、授業のプロはいったい誰?という点。
両者の記事ともに、授業をいかに組み立てるかという点については学校教員が中心となっているような書きぶりですが、実際のところ学校と民間起業がどんな役割分担をしているのか、詳しくは分かりません。
が、それでも学校教育の根幹である授業について、外部の力、しかも学校にとっては敵視?すらしている相手である学習塾やゲーム開発会社に支援してもらっているのが非常に興味深く感じられました。
学校の先生は当然のことながら、子どもたちが社会に出ていくことを前提に教育を施さねばなりません。
その意味で、細かい内容については外部の力を借りるとしても、先生自身が社会のいろいろな職業や技術について知り、できれば体験するなどの必要性があるのではないか、と思った次第です。
もう1つは、『教科』というの枠組みでは捉えられない教育内容のカリキュラム開発の必要性です。
既存の科目設定で基礎学力を満たすことは、現代に至っても果たして必要十分なのか、という点を考えさせられます。
コンピュータプログラミングは新たな言語構造…なのかな?と思わなくもありませんし、他にも身につけておくべき、あるいは子供の頃に触れたり考えたりしておくべき内容は教科という枠組みを超えて存在しているような気がします。
大学入試制度が変化する、というような議論も進んでいますが、教育内容や手法がこのままでいいのか、ということは学校現場において常に考えていくべきテーマだと強く感じました。
以上、武雄市の取組が皆様の気づきになることを願っています。