教育という事柄の重要性を改めて感じる記事でしたので、
皆様とも共有させていただきます。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
元首相・吉田茂著「日本を決定した百年」(1967年刊)を久しぶりに読み返してみた。エンサイクロペディア・ブリタニカに英文で掲載した寄稿を和文でとりまとめ、加筆したものである。キーワードは勤勉と冒険心と柔軟性などだが、最も印象深かったのは、吉田が太平洋戦争によって灰じんに帰した日本再建の要は教育にあると確信していたことだ。
上記書籍を私は読んだことがなく、自らの無学を恥じているのですが、
記事によりますと、ここには教育を特段重視する吉田茂の言葉が
以下の通り多く並んでいるそうです。
「維新の大業は、多くの教育ある国民の手で押しすすめられなければならない
というのが、明治の指導者たちの気持ちであった」
「全国に学校をおこすが、政府には小学校設立に補助金を出すだけの
余裕がなかったので、大部分国民の負担で小学校をつくっていった。
生活に追われていた民衆はなかなか子供を学校にやろうとしなかったが、
政府は就学率を高めるために努力を惜しまなかったし、
地方の地主たちは、多額の金を寄付して学校の設立を助けた」
「現在でも田舎を旅行すると、
小学校の校舎が村で一番よい建物であることが多い」
「政府に参加しなかった知識人の多くは私立学校をつくって教育にあたった」
最後の一文、私学の成り立ちを思い起こさせて熱いものが胸をよぎります。
おそらく貴校園も、崇高な建学の精神によって創立され、
これまでの歩みを進めてこられただろうと思います。
さて建学から数十年、それ以上が経過した現在において、
当時の想いはどれほど貴校園に残っているでしょうか。
当事者がどんどん変わっていく中で、ひょっとすると、
建学の精神や教育理念が「額に入った言葉」になってしまっている、
というケースも決して少なくないのではないでしょうか。
次の時代をつくる子どもたちを誠心誠意、育てていくのだという
強い想い、信念が私学には特に求められるような気がしてなりません。
この記事は以下の文で閉じられています。
教育という大切な事業に携わる皆様方に、
改めて熱い想いを自らの中で呼び起こしていただければ幸いです。
令和も5年になった。政策の鍵は、官も民も、思い切った教育投資だ。試行と混迷の平成時代にかかわった私たちが後世のためになすべきことは、各分野にわたって、明日の日本をつくる人材を育む環境の整備に尽きる。
(文責:吉田)