寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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大卒女性、子ども数増 昨年45~49歳調査

少子化加速、のニュースが多く流れる中で、

目に留まったのが今回の記事です。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

高学歴の女性が産む子どもの数が回復している。国立社会保障・人口問題研究所の2021年出生動向基本調査によると、妻が大卒以上の夫婦の子どもの数が1.74人と19年ぶりに上昇。仕事と育児の両立が困難だった高学歴の女性も、近年は働き方改革などにより産みやすくなっている。

 

学歴で出生数を考えることはあまりしなかったのですが、

統計があるとこういう分析も可能になりますよね。

下のグラフを見ても、傾向の差は歴然です。

 

 

記事には具体的な数値も挙げられているのですが、

2015年に実施された前回調査では、45~49歳の妻の子どもの数は

1.66人だったとのこと。これが今回調査では1.74人に上昇。

出生数そのものの値は他の最終学歴のほうがまだ高い状況ですが、

これも時間の問題かもしれない、と記事は指摘しています。

調査を実施した研究所は

「育児と仕事の両立支援により、働いていても子どもを産む女性が

 増えたことが影響している可能性がある」

と分析しています。

 

ここで気づきが2つ。

「働いている」という要素による変化であるなら、

必ずしも学歴と一致はしないのではないか、というのがその1つ。

そしてもう1つは、最終学歴が異なっても、

働いている女性という切り口で見た場合には、

いずれも子どもの数は増えているのだろうか、という点です。

 

詳しい情報がないので何とも言えませんが、

考えられるのは、相対的に高学歴の女性のほうが、

相対的に家計に余裕があり、より多くの子どもを持てる、

といったことです。高学歴のほうが賃金水準が高く、

「働いている」という要素は同じでも、

同じ投下時間で得られる給与が異なっていることは

十分に考えられるように思うのです。

 

誰もが等しく、子供を持つことができて、子育てができるという

環境づくりを目指すべきことは言うまでもありませんが、

少なくとも現代社会においては、そうはなっておらず、

高学歴のほうが子育てしやすい状況になっている、

という哀しい結論を導きそうになってしまう統計です。

この傾向は他の研究でも同様の傾向となっているようで、

夫婦1組あたりの出生率を分析したところ、

2000年以降、特に2010年以降で

「30代で結婚した都市部、大卒、リベラルな女性」

出生率上昇が顕著だった、とのことです。

 

繰り返しになり恐縮ですが、

こういった差異はなくなっていくのが本来あるべき姿です。

が、仮にこの現象をいかんともしがたいとすれば、

学校がなすべきことは、教育という人生への投資による効果を

最大化できるよう、最善を尽くすことと言えるのかもしれません。

学歴ということに集約されたくはないと思いながらも、

高等教育を受けるという選択肢を持てるように

子どもたちを育てていくことは大切なことだと言えそうです。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp