理解はできるのだけれど、果たしてそれでいいのか、
私にとってはモヤモヤした気持ちが晴れない記事でした。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
まずはこのブログをお読みの皆様に質問です。
「タイパ」という言葉をご存知ですか?
私自身、何となく最近よく目にするような気がしていました。
「コスパ」という言葉が「コストパフォーマンス」を意味しているので、
何かそれに近いニュアンスなのかな、といった程度で捉えていたのですが、
「タイムパフォーマンス」の略だそうです。
タイムパフォーマンスはかけた時間に対する満足度を表すそうで、
やはりコストパフォーマンスとよく似た概念のようですね。
今回の記事に登場するのはこんな実例です。
- 「長時間授業を聞いているのは苦痛。倍速の方が集中できる」と、録画された講義を全て1.5倍速で見るようになった大学生
- 教授が一方的に話す講義は「情報量が薄く、眠くなる」大学生
- 「内容を短時間で理解して、もっと先のことを学びたい」大学院生
- 「オンデマンドの授業はバイト前や空き時間に倍速で見る」大学生
- じれる学生の気持ちをくみ、オンライン講義は従来の1.3倍速で話し、「えー」「そのー」など間延びするワードは編集でカットすることで、学生から「頭に入りやすい」と評判の大学教授
セイコーホールディングスの2021年調査では、
オンライン講義を倍速視聴する学生は半数超。
記事ではこの状況と要因をこんなふうに表現しています。
少しでも早く結果をつかみたいのは1日の生活も人生も同じ。若い世代が前のめりなのは未来に確信が持てないからだ。
やるべきことをやってさえいれば、将来が何となく約束されている、
と漠然ながら感じていたのがこれまでの世代であって、
Z世代はそもそもそのようなのんびりした考え方は一般的ではない、
ということなのでしょうか。
時代背景を考えれば確かにそうかもしれませんが、少し寂しい気もします。
ただ、その責任は完全に大人にある、とも思います。
将来に対して完璧な安心感を与えることは難しくても、
各自のありたい姿に着実に近づける社会は実現せねばなりません。
そのことで、青春時代を青春時代らしく過ごせるようになってほしい、
とも思います。
さて、学校での学習に話を戻しましょう。
タイパを気にする子どもたちの様子に、学校は気が付いているでしょうか。
これまでと同じ授業をこれからも繰り返すのか、
あるいはさらなる教育効果を求めて授業の仕方を変えていくのか。
教育のICT化が進む中で、記事に登場する大学教授のように、
どうすれば学びの効果が上がるかを考え、実践することが
これまで以上に重要な気がします。
(文責:吉田)