寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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出生率反転、波乗れぬ日本

昨年の出生率データが出そろってきましたね。

私学にとっては非常に重要なデータですが、

どのようにご覧になっておられますか。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

先進国の8割で2021年の出生率が前年に比べて上昇した。新型コロナウイルス禍で出産を取り巻く状況がまだ厳しい中で反転した。ただ国の間の差も鮮明に現れた。男女が平等に子育てをする環境を整えてきた北欧などで回復の兆しが見えた一方、後れを取る日本や韓国は流れを変えられていない。

 

今回の記事で紹介されている統計ですが、

経済協力開発機構OECD)に加盟する高所得国のうち、

直近のデータが取得可能な23カ国の2021年の合計特殊出生率を調べたもので、

19カ国が2020年を上回り、過去に低下傾向にあった多くの国が

足元で反転した格好だと記事は指摘しています。

 

一方で、「反転」できなかった国もあります。

日本はそのうちのひとつ。下のグラフを見ると状況がよく理解できます。

 

 

では、この状況の差はなぜ生まれたのでしょうか。

理由を探るカギの一つが男女平等だ。20年から21年の国別の出生率の差とジェンダー格差を示す指標を比べると相関関係があった。世界経済フォーラム(WEF)の22年版ジェンダーギャップ指数で首位だったアイスランドの21年の出生率は1.82。20年から0.1改善し、今回調べた23カ国で2番目に伸びた。

 

例えば、上のグラフでは一時日本と同程度まで出生率が落ち込んだフィンランド

直近2年連続で上昇し、1.46まで回復しています。

記事に登場する専門家は、

「長い時間をかけてジェンダー格差をなくしてきた北欧では

 家庭内で家事・育児にあてる時間の男女差が少なく、

 女性に負担が偏りにくい」と指摘、

 コロナ禍で在宅勤務が広がるなかでかえって

「男性の子育ての力量が確認された」と指摘されています。

 

 

引用した上の図では、家計の収入もまた出生率が伸びない

大きな要因になっていることが示されています。

以前は共働きであれば出生率は下がる傾向がありましたが、

昨今はむしろ世帯収入を増やし、出生率を底上げする要因になっているようです。

 

 

日本は女性の就業率が7割と比較的高いにもかかわらず出産につながりにくい。家事・育児分担の偏りや非正規雇用の割合の高さといった多岐にわたる原因が考えられる。保育の充実といった支援策に加え、男女の格差是正から賃金上昇の後押しまであらゆる政策を打ち出していく覚悟が必要になる。

 

さて、貴校園の働き方は子育てにやさしいものになっているでしょうか。

そして、そのような価値観を育むきっかけが多くあるでしょうか。

学校は教育の場であり、働く場でもあるという、

とても貴重な場所だと感じます。

学校がジェンダーギャップの最たる場所、というふうにならないよう、

配慮していかねばなりませんね。

 

本日は最後にジェンダーギャップ指数の国際比較を掲載しておきます。

諸外国に学ぶことはまだまだたくさんありそうです。

 

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp