寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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「出世払い型奨学金」の可能性

奨学金制度について、幅広に考えてみませんか。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

この記事ではオーストラリアの特徴的な奨学金制度について触れられています。

これがタイトルにある、「出世払い型奨学金」と呼ばれるもので、

以下では「所得連動型ローンシステム」と記載されています。

 

所得連動型ローンシステムは、簡単ながらも強力なコンセプトに基づく。学生はわずかなコスト、あるいはコストなしで大学に入学し、そのときに負う債務を後に返済する。だがそれは事前に決められた最低限の所得額を上回る所得のある場合に限られる。現在日本で検討されている案では、年収が300万円を下回る卒業生は返済を求められない。もしこの金額を超える年収を生涯得られないならば、その理由を問わず返済を求められることはない。

 

この制度は借り手に大きなメリットがあるのが特徴で、

財政的に厳しい状況下では返済義務がないため、

仮に失業してもローン返済に悩むことがなく、

返済に窮した借り手が家族に助けを求める必要もありません。

当然、奨学金のために借り手が破産することはないため、

信用履歴に傷がつくこともありません。

ちなみにこのことは、破産によりシステムから退出することがない、

ということを意味しますから、将来返済される可能性が残り、

その分納税者の負担が減り、政府にとっても好都合、と記事は指摘しています。

 

日本の多くの大学進学希望者が、財力の不足や将来の低所得によりローン返済が難しくなることへの懸念から、進学をあきらめていることがデータにより示されている。豪州、NZ、英国の大学進学希望者にはこうした心配はない。

現在、全学生の約3分の1が日本学生支援機構奨学金を活用している。文部科学省の調査によると、20~30%が将来のローン返済に懸念を抱いており、特に所得が850万円未満の家計の懸念が強い(図参照)。

 

 

いかがでしょうか。奨学金をこのような設計にすることで、

確かに教育を受ける機会を確保するのに役立つ気がしますね。

貸す側にとっては、返済が予定通りのスケジュールでなされないことが

あり得ますから、それだけ資金的な余裕が必要になるのは確かですが、

返済を受けられなくなるリスクが下がることを思えば、

国の制度だけでなく、各校園が持つ制度としても活用の余地があるのではないか、

と感じます。

 

記事には

「学生の社会での成功は両親の成功と相関しているが、

 常にそうだというわけではなく、

 また裕福な家庭の子弟のすべてが社会で成功するわけではない」

とも指摘されています。

子どもの貧困が想像以上に深刻な日本において、

この記事の提案は検討に値すると思うのですがいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp