コロナ禍が変えたもの、その一つが修学旅行の行き先、
かもしれません。日経新聞より。
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修学旅行先として定番だった京都や東京に代わる地域の存在感が高まってきた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、関西と関東のシェアは2020年度、計約3割と19年度比で半減する一方、ほかの地域は7~9ポイントの上昇が目立った。遠方から近場への行き先変更を好機とし、継続して選んでもらうための取り組みが活発になっている。
日本修学旅行協会の抽出調査によりますと、
2019年度の1人当たりの修学旅行費用は中学校で6万円、高校は10万円程度。
高校は1割以上が海外を選んだようですが、
国内への変更が続く可能性がある、と記事は指摘しています。
私学だけで調査した場合には、修学旅行費用の平均は
より高額になるような印象もありますが、
それでもここ2,3年はより近場への行先変更が多くなっているのは
間違いないでしょう。
下の図表を見ると、行き先がずいぶんと分散していることが
お分かりいただけると思います。
そして、行き先となる地域の側も、地域活性化の一方策として、
修学旅行先として選んでもらうための施策を打っているようです。
山梨は20年度と19年度のシェアを比べた増減幅が4.0ポイント増で首位だった。全国に先駆けて感染対策を徹底したホテルや飲食施設などを認証する独自制度「やまなしグリーン・ゾーン」を創設し、訪問時の安心・安全を強く打ち出した。認証施設での宿泊などを条件に1人当たり3000円を助成する仕組みも導入し、21年度は静岡県や愛知県から1万人強が訪れた。今年度は1人当たりから1泊当たりの助成に変更して連泊を促し、4万人の受け入れを目指す。
下の表を見ると、山梨がトップ、そして2位は三重と、
近隣に大都市を有する自治体が並んでいますね。
三重県は県内の学校を対象に1人当たり最大5000円を補助する制度を
2020年度に設けたこともあり、同年度に伊勢志摩を訪れた小中高生は
前年度比2.4倍(約82000人)。2021年度は10万人を超えたそうです。
修学旅行はその名に「修学」とありますが、
これまではイベント的な意味合い強かった印象。
しかしこれも変わってきているようです。
観光色が強かった修学旅行は近年、体験型の学びを重視する傾向が強まっている。岩手県の三陸鉄道では21年度、東日本大震災の被災地を巡る震災学習列車の利用者約9500人のうち9割は高校生以下だった。6月に受け入れが再開したインバウンド(訪日外国人)も、体験型の消費に関心が移っている。東京成徳大の寺本潔特任教授(観光教育)は「SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにしたプログラムなど学校側のニーズをくみ取る体制づくりが、インバウンド増にもつながる」と話す。
コロナ禍を経て、学校行事は根本的な見直しが進んでいることでしょう。
貴校園の修学旅行の在り方、その目的を改めて見直してみることで、
より適切な行き先が見つかるかもしれませんね。
(文責:吉田)