ハイフレックス授業が広がっている、という記事です。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
大学の授業が変わり始めている。オンラインで授業を中継することで、学生が講義を受ける場所を自由に選べる「ハイフレックス」が注目を集めているためだ。空間的な制約で興味のある講義を受けるのを見送ってきた学生の学びを深めるきっかけになる。先進的な取り組みを探った。
記事に登場する城西国際大学では今年6月、
観光学部の「観光まちづくり概論」の一環として
千葉県一宮町長を招いて講演会を開いた際、
他学部からも聴講者を募集したこともあり、席の不足が予想されるなか、
オンラインの参加者を募り、入国できていない留学生を含む
約10人が教室外から参加した、と紹介されています。
授業後の学生に話を聞くと、オンラインのさまざまな効果が見えた。観光学部3年の大塚彩音さんは「オンラインのほうが教室よりも気軽に質問しやすい」と話す。大教室での質疑応答には萎縮しがちだが、画面越しならハードルが下がる。「目的意識を持って授業に参加すれば、教室と同じように授業に集中できた」(同学部3年の望月志峰さん)という声もあった。
すでにご承知かと思いますが、「ハイフレックス」とは、
対面とオンラインのどちらで出席するかを学生が自由に選べる授業形式です。
私が関わる私学でも導入を検討する際のお話を伺ったことがありますが、
最大のネックは教員の作業の煩雑化で、人的リソースに余裕がなければ
実現はなかなかハードルが高そうですが、城西国際大では
教員がパソコンを教室前方のケーブルにつなぐだけで、
音声や映像がオンライン配信されるシステムになっているそうです。
また、名古屋商科大学では教室の設計に工夫を凝らし、
教員を取り囲むように受講生の机を配置、
オンラインの学生は教員だけでなく受講生の学ぶ様子も見えるため
一体感を味わえる、とのこと。
また黒板に書いた字が画面越しにはっきりと見えるようにと、
文字の色やカメラの位置を吟味、さらに参加者の声を拾いやすいよう
頭上にマイクを設置したそうです。
大阪大学では教員の支援体制を一元化。
担当部署(教育学習支援部など)が教員向けのホームページを拡張し、
ハイフレックス専用の機材の使い方の情報を提供、
教員からの問い合わせも同部が集約し、
FDの活動を通じて好事例を共有している、と紹介されています。
現地での学びとオンラインの学びにはそれぞれメリットがあります。
その「美味しいトコ取り」ができそうなハイフレックスに
期待は高まります。
現状は大学での実施がほとんどですが、
今後は中高でもそのような動きが出てくるかもしれません。
よりよい学びを実現するための環境整備に終わりはないことを
改めて感じさせる記事でした。
(文責:吉田)