日経新聞に、2日続けてこの話題の記事が掲載されました。
まずは1日目のものを。6月22日付朝刊です。
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文部科学省は(6月)21日、大学のオンライン授業の単位上限を2023年度にも緩和する方針を固めた。審査機関が「特例」として認めれば、新型コロナウイルス下の緊急措置だったオンライン主体の授業が常時可能になる。海外から広く学生を集めることが容易になり、大学のグローバル戦略の幅が広がる。指導ノウハウを持つ教員の不足が指摘される中、魅力的な教育プログラムを提供できるか。大学の真価が問われる。
今回の緩和の概略は下の表が分かりやすく示してくれています。
緩和される単位数がどれほどになるのか、という点は、
この記事を見る限り、特に目安が示されているわけではなく、
各大学の申請を受けて有識者会議が判断することになるようですね。
ちなみに、認められる条件としては
・先進的な教育プログラム
・授業に関する積極的な情報公開
・授業の内容を点検・評価する仕組み
などが挙がっています。
オンライン授業の上限が緩和されると、海外他大学の教員による授業を増やしたり、海外にいる学生に授業機会を提供したりすることが容易になる。留学生の場合、1~3年目は居住地でオンライン授業を受け、卒論指導が必要な4年目に来日してキャンパスで学ぶといった運用が可能になる。
コロナ禍によって、遠隔で学ぶことがかなり浸透しましたので、
移住を伴わずして大学で学べる機会があれば活用したい、
というニーズはそれなりにあるでしょう。
今後の実例に注目したいと思います。
さて、ここで翌日の記事もご紹介しておきます。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
中央教育審議会大学分科会は(6月)22日、大学のオンライン授業の単位上限を緩和する文部科学省令改正の骨子案を大筋で了承した。海外の教員や学生を呼び込みやすくし、大学のグローバル化を推進したい考え。現状では英語による授業は限られる。多様な人材を集めるためにも、国際的に通用する教育プログラムを大学に広げていく必要がある。
オンラインでの授業が一般化する前提として、
海外からのアクセスを想定した場合、教える言語が問題になります。
この記事は、現状、英語の授業が少ないことを指摘する内容となっています。
欧州国際教育協会(EAIE)の調査によると、英国などを除く欧州19カ国の大学では、英語による学士課程プログラム数が17年時点で2900あり、09年時点(55)と比べ50倍に増えた。報告書は「国際化に応じ戦略的に進めてきた取り組みの一環」とする。
なるほど、ヨーロッパではかなりそのしくみが整ってきている一方、
日本はなかなか進んでいない、ということのようです。
下のグラフも、コロナ禍前の推移ですが、総数にほとんど変化はないですね。
教育環境の整備、といった場合、これまでは施設を中心に物事を考えるのが
学校における原則であった気がしますが、
今後はオンラインに活用できる設備や通信環境が
より重要な要素になってくる気がします。
英語での授業ができる教員の確保、そして施設設備整備と、
新たな経営課題が生まれてきますが、優先順位を付けながら、
貴校園の方針に合わせて取組を進めていただければと思います。
(文責:吉田)