物価高が現実になってきています。
ご紹介する記事は世界全体の状況について書かれているものです。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
歴史的な物価高が世界を覆っている。日米欧30カ国の4月の生活費は1年前と比べ9.5%上がった。上昇ペースは新型コロナウイルス禍前の7倍に達し、経済のみならず政治も揺らす。ウクライナ危機に中国のゼロコロナ政策が加わり、資源高と供給制約が連鎖してコストを押し上げる。ヒト・モノ・カネの自由な動きが支えてきた低インフレの時代が変わりつつある。
下のグラフを見ると、加速度がものすごいことがよく分かります。
これほどまでに世界的に急激にインフレが進むこともあるのだと、
改めて驚き、不安な気持ちに襲われます。
特に注意したいのは、ここで見ている数値が
「生活費」を対象としたものであることです。
記事に紹介されているものだけでも、例えばアメリカでは、
・4月の中古住宅価格の中央値は前年同月比15%上昇
・物価上昇率は5月まで3カ月連続8%台と40年ぶりの水準で高止まり
・SUBARUは2月に3車種を一律200ドル、4月に8車種を500ドル値上げ
・4月の求人数は1140万人で、失業者(594万人)のほぼ2倍の規模に
こういった状況を背景に、生活費全体が値上がりしており、
各国ともインフレが進んでいる、というのが記事の見立てです。
日本でもかなりその色合いが濃くなってきているように思いますが、
下のグラフを見ると、世界はもう一段進展が早いようにも感じます。
ただ、日本の場合には円安の急激な進展も重なっており、
海外からの物資の調達においてはさらに大きな影響を受ける可能性もあります。
おそらく、各校園の調達コストにも影響が出ていることかと思います。
本年度の予算編成において、このあたりのことが加味されていればいいのですが、
そうでなければ、想定せざる支出増が続く1年になるという可能性も
十分にあります。学校運営に十分なご留意をお願いいたします。
そしてもうひとつ、こういう事態になっているからこそ、
自国優先ではなく、世界の連帯を大切にすべき、
ということを子どもたちにも理解してもらうことが大切な気がします。
教育機関の役割の大切さを改めて感じます。
世界経済は分業と協調でコストを抑えて成長してきた。そのグローバル化が逆回転し、ブロック化の反動が頭をもたげる。日立製作所の河村芳彦副社長は「手を打たなければグローバルリスクは2000億円に上る」とコスト増を警戒する。
複合的な危機の下、生活費の上昇が続けば社会の不満は膨らむ。自国優先の輸出制限のような動きが広がれば分断が深まり、インフレ圧力が増す悪循環に陥りかねない。歴史的な物価高に世界の結束が試されている。
(文責:吉田)