寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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児童見守る「ながら防犯」 池田小事件21年

あの日の衝撃がいつでもよみがえる、そんな事件でした。

21年という月日の流れが私たちに叡智を与えてくれていると信じて。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

児童8人が犠牲になった大阪教育大学付属池田小学校(大阪府池田市)事件から8日で21年となった。事件は全国に防犯ボランティア活動を広める契機となったが、7割の団体が平均60代以上と高齢化が進む。登下校時や学校で子供の安全を守るため、新たな担い手の確保は欠かせない。働く世代や若者らの参加を促そうと、国や自治体は日常生活を送りながら気軽に取り組める「ながら防犯」の浸透に力を入れている。

 

私学でも安全、防犯に細心の注意を払われていると思います。

その一方で、その対策を今後も継続していくことの難しさも

感じておられるケースが多いのではないでしょうか。

 

この記事ではボランティアの高齢化が指摘されています。

このことは実際に私も他で耳にしており、

今後に向け深刻度が増していくのではないかと心配もしています。

 

そうなるとやはり、地域がその役割を担うことが必要でしょう。

記事には実例がいくつか掲載されています。

参加者の裾野を広げて「地域の目」を維持しようと、政府や自治体は「ながら防犯」に力を入れる。不審者がいないか、街灯の電球が切れて夜道が暗くないかなど、通勤や散歩といった日常生活のなかで異変に目を配ってもらう。
(中略)
対応を急ぐ自治体もある。東京都足立区は20年から、住民へ参加を呼びかけている。放置自転車や不法投棄など、これまでに約60件の情報も寄せられた。
活動に参加する住民を対象に20年12月~21年1月に行ったアンケート調査によると、週5日以上活動した人は43%だ。初めて防犯活動に取り組んだと答えた人も6割近くおり、防犯意識の底上げにもつながっている。
福岡県は2月にオンライン講座を開き、ジョギングしながらの見回りや、自宅のベランダからの声かけなどの活動を紹介。50~70代を中心に約30名が参加し「ライフスタイルにあった方法を広めていきたい」といった前向きな感想が寄せられたという。

 

一方で、別の記事ではこのような指摘も。同じく日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

学校現場の侵入者に対する警戒感の低下が鮮明だ。大阪教育大学付属池田小学校(大阪府池田市)での児童8人殺害から8日で21年となるが、事件を受けて導入された警察への通報システムを設置する学校は年々減り続けており、全国で3割にとどまる。費用負担などを理由に普及が進まない。子どもを狙った事件は後を絶たず、整備を後押しする財政支援と地域での危機意識の共有を求める声が強まる。


文科省の2018年度の調査によると、全国の幼稚園、小中高校のうち、

上記通報システムを導入済みであるのは29.8%。

2011年度は44.7%、2015年度は35.4%と、年々低下しているそうです。

 


このシステムは、設置に30万円程度、

点検などの維持費に年間10万円弱かかるとのことで、

コスト面を理由に撤去を決めた学校もあるそうです。

こういったものこそ、公費で設置を後押しせねばならない気もするのですが…

大阪教育大学の藤田大輔教授(安全教育学)は「学校の安全に関する意識は、事件が起こるたびに高まり、時間がたてば薄まる傾向にある。研修などを通じ、教職員や保護者、地域が一体となって危機意識を共有する取り組みが欠かせない」とみる。
その上で「国内において通報システムは有効。国や自治体は補助金制度の導入など財政的な支援を検討すべきだ」と強調している。

 

喉元過ぎれば熱さを忘れる、という言葉の通りにならぬよう、

今一度、安全確保のための方策に漏れはないか、

貴校園でも確認いただければ幸いです。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp