温故知新の起点を改めて思い起こしたくなる記事です。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
先月15日、沖縄県は本土復帰から50年を迎えました。
その日を中心に、テレビや新聞ではそのことを採り上げた内容の
番組や記事が流れていたように感じますが、一方で、
このご時世にありながら、過去の惨事を振り返り、
改めて考える機会はそれほど多くない、とも感じます。
今回紹介する記事には、沖縄県内において、
米軍統治下の歴史を学ぶ動きが出ていると書かれています。
沖縄県によると、平和教育を取り入れる県内の公立小中学校は9割近くに上る。沖縄戦の組織的戦闘が終わった6月23日の「慰霊の日」にあわせ、平和教育月間を設けるなどしている。太平洋戦争に関するものが多く、「授業時間が限られる中で復帰を取り上げるのは難しかった」(照屋教諭)という。
一方、沖縄県以外ではどうか。
神奈川学園高校(横浜市)は5月10日から4日間、2年生が平和学習を中心としたフィールドワークのため沖縄県を訪れた。同校の1年生は沖縄を含め5つの地域から実習先を選ぶ。2021年11月に訪れる予定だったが、新型コロナの感染拡大で2度延期となっていた。
修学旅行先として沖縄や広島を選択されるケースの多くは、
こういった平和教育を主眼に置いておられることと思います。
が、沖縄県への修学旅行は新型コロナウイルスの影響で大幅に減少し、
2020年は以前より8割以上の減り幅となっています。
さらにはこんなデータも。
長崎県の学生団体「ナガサキ・ユース代表団」は2021年、全国の18~24歳の約1500人を対象に、小学校時代の平和教育に関するインターネット調査を実施した。平和に関する授業の頻度が、各学年で毎年1回以上にあたる「6回以上」と回答した割合は、沖縄県や被爆地の広島・長崎両県が9割に上った。
一方、九州を除く他の地域はいずれも3割に満たなかった。沖縄戦を含む「日本の戦禍」について学んだことがあると答えたのは、沖縄県が9割超だったのに対し、同県を除いた地域では4割に満たなかった。
学ぶ内容が増える一方、という感のある初等・中等教育の期間。
その中で平和教育がやや追いやられている感もあるように思います。
本当の意味での子どもの育ちに思いを致した時、
果たしてこの状況が続いていいのか、個人的には疑問を感じます。
戦争をするのも、なくすのも、人の手でしかありません。
歴史を巻き戻しているのではないかとすら思う今日この頃、
今一度、戦争は何が何でもダメだということを深く理解する機会を
強く求めたいと思います。
(文責:吉田)