今週のブログは残業時間のことが重ねて登場しますがご容赦ください。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
実際の新聞記事はかなり小さな記事なのですが、
表題に「求められた」とあるのが気になり、目をやりました。
紹介されている調査は名古屋大の内田良教授らが実施したもので、
2021年11月にオンラインで行った調査です。
全国の公立小中学校の20~50代教員を対象に実施し、
924人から回答を得ておられます。
結果は上にある通りですが、6人に1人にあたる17%が
「勤務時間を少なく書き換えるよう求められた」と回答、
管理職などから勤務時間の過少申告を求められていたとの結果です。
また、土日の勤務時間については
「正確に申告しない」または「申告を求められていない」
と答えた教員が小学校で61%、中学校で36%に上っており、
この点も看過できない現実のように思われます。
そして、「準備不足で授業に臨んでいる」と答えた比率は、
残業時間が長い教員ほど高かったとのこと。
他の仕事が多く、授業準備に時間を割けない…ということなのでしょうか。
私学も含め、学校現場の残業問題には私は2つの視点が必要だと感じます。
1つは今回の調査でも明らかになったように、
「管理不足」「業務過多」という、組織運営上の課題解決の視点です。
これまで時間管理の観点が希薄であった学校現場において、
特に管理側が意識を高く持ち、質の高いマネジメントを実現する必要性は
とても高いと感じます。
ましてや噓の申告をするように求める管理職がいては、
本質的な問題解決は全く図られないどころか、
事は逆方向に進んでしまうことでしょう。
貴校園では決してこのようなことがないことを願うばかりです。
そしてもう1つは、働く側の意識改革の視点です。
残業時間や勤務時間を短くするためには、
しくみの整備だけではうまくいきません。
働く側にも、効率的な業務遂行、生産性の高い業務遂行を
模索し実行する姿勢が必要です。
おそらく全国の教員の中には、労働時間は決して多くないのに、
授業準備や教材研究の水準が高い方もいらっしゃるでしょうし、
分掌や部活動の担当を持ちながら質の高い授業をされる先生も
いらっしゃることでしょう。
もちろん、組織のバックアップはとても重要ですが、
業務効率化を実現するにはそれだけではうまくいかないことが多くあります。
確かに学校現場の業務量は少なくない、と思いますが、
一般企業の残業が相対的に少ないのは業務量が少ないという理由ではない、
とも思います。
業務をきっちりスケジューリングして、計画的に業務遂行するだけで
かなりの時間短縮や質の向上が図れるはずですから、
ぜひともそのような観点も大切にしながら、
学校の働き方改革が進むことを願っております。
(文責:吉田)