小1プロブレム、という言葉はここのところ、
少しだけ耳に届きにくくなっている印象がありますが、
問題が解決されたわけではないでしょう。
カリキュラムの改善に向けての動きがあるようです。
日経新聞より。
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小学1年生が学校に適応できない「小1プロブレム(小1問題)」の改善に向け、文部科学省は幼稚園・保育所と小学校の連携強化を進める。各地で協議会を設け、5歳児~小学1年を一体とした教育カリキュラムを開発するよう促す。小学校の入学前後に生じる学びの段差の解消は長期的な課題で、カリキュラムとともに指導にあたる教員の育成も重要になる。
中央教育審議会の特別委員会は今年3月、
新たなカリキュラム開発の手引をまとめたとのこと。
5歳児~小学1年の2年間を「学びや生活の基盤をつくる重要な時期」
と位置づけたうえで、教育内容の連続性を重視しています。
各地域の幼稚園・保育所や小学校などで構成する
「カリキュラム開発会議」を設け、協議しながら
5歳児~小学1年の教育課程や指導計画を検討する案が示されているようです。
そのイメージが下の図です。
さらに、その年代での連続性を意識した指導内容として、
下の表のような例も示されています。
小1プロブレムの解消のため、カリキュラムを整備することは
とても重要なことだと理解していますが、
一方で、保育園・幼稚園・小学校のいずれにも関わる者として
強く感じることは、それぞれの機関が「独自に」活動している、
という印象です。
こども本人やご家庭に課題を抱えているケースなどの
安全面での情報共有はある程度なされてはいますが、
保育・教育内容に関するコミュニケーションは
決して十分ではないように感じています。
記事にはこんな例が書かれています。
栃木県で認定こども園を運営する学校法人の中山昌樹理事長は卒園後に学校になじめない子がみられたことから、15年度に地元小学校の教員と研修を開いた。自主性を重視する幼児教育のノウハウを紹介し、入学直後の「係決め」を児童に任せるよう提案した。
教員からは不安の声が上がったが、自主的に黒板を消すなど係活動を率先する児童が現れ、自然と係を分担するようになったという。中山理事長は「指導方法を共有することで、学校になじめずに苦しい思いをする子どもは減る」と連携の効果を強調する。
小1段階に限らず、学年ごとの情報共有の大切さ、
そして機関や組織を超えた情報共有の大切さを今一度確認したいと思います。
貴校園はどのくらい情報共有が進んでおられますか。
(文責:吉田)