寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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名ばかりDX、逆効果

学校現場はこのような状況に当てはまっているのでしょうか。

私自身は、少しそのような気配を仕事で感じることがあります。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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増え続けるオンライン会議、夜間休日も絶えない業務連絡の通知音――。革新的デジタル技術の普及が働く人々の疲労や集中力低下を招き、かえって生産性を落とすという残念な事態が懸念されている。急速に広がったテレワークやデジタルトランスフォーメーション(DX)が形ばかりで、アナログな働き方の見直しが追いついていない。

 

まずは上の文章を読んでいただき、どのようにお感じなりますでしょうか。

下の図にはこのような状況を裏付ける実際のデータがまとめられています。

 

 

図の上半分はあくまでもマイクロソフト社のアプリである

「Teams」の利用状況をまとめたもので、

他社製品をお使いのケースも十分にありうるのですが、

それでもコロナ禍の時間経過と照合すると

興味深い結果が出ていると感じます。

 

さらに就業時間外の電話やメール。

私自身、届くメールの時間帯に驚くことが増えた気がします。

連絡するほうもされるほうも、

いつでもどこでも仕事に縛られているような感覚が続くと、

決して心身にいい結果をもたらさないだろうと心配になります。

 

就業時間外の連絡に対応する人の約7割は「気になることは早く終わらせたい」ことを理由にあげる。素早く対処しないと落ち着かない心理が、ますます時間外対応を当たり前にする。この悪循環が人々をより窮屈にする。

スウェーデン精神科医アンデシュ・ハンセン氏は著書「スマホ脳」で、チャットやメールを受信すると脳内で神経伝達物質の「ドーパミン」の量が増え、確認したいという強い欲求を感じると指摘した。その繰り返しがスマホ依存など深刻な影響を生むという。

米テキサス大の研究者らはスマホが近くにあるだけで認知能力が下がると報告する。集中力や記憶力にマイナスに作用しかねない。

 

学校現場ではオンラインでの業務遂行が原則になりにくいので、

こういった状況が常態化することはむしろ防ぎやすい気もしますが、

一方で子どもたちの学習が同じような事態に陥らないか、

という観点でもとらえておく必要があるのではないか、と思います。

「つながっていないといけない」という強迫観念が生じないように、

学びの環境整備においても留意すべきではないでしょうか。

そして、こういったことも大切なICTリテラシーのひとつと

言えなくはないように思うのですがいかがでしょうか。

 

ちなみに、こんなデータも記事に掲載されていました。

スイスのビジネススクールIMDがまとめる「世界デジタル競争力ランキング」で、2021年の日本の総合順位は64カ国・地域中28位と低迷する。個別指標でみるとさらに悲惨だ。「デジタル・技術的スキル」は62位、「企業の俊敏性」は64位に沈む。

 

インターネットやスマートフォンを手放すことは考えられない。デジタル化のうねりはますます大きくなる。必要なのは表面的なDXでなく、「質」を高めて生産性や競争力の向上につなげる真の変革だ。それこそが「デジタル疲れ」のような副作用を低減できる。

 

いわゆる「デジタルウェルビーイング」、すなわち

デジタル技術を人々の心身の健康や幸福につなげるために、

よりよい使い方、付き合い方を模索し続けたいですね。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp