寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

次世代リーダーに必要な感性

次世代リーダーの育成、ということを教育理念や目標に掲げておられる

校園は多いのではないでしょうか。

私学には必ずしも追い風にならない論調ではありますが、

だからこそ向き合っておきたいテーマだと感じましたので

ご紹介いたします。日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

受験シーズンである。義務教育を終え高校、大学に進もうとする学生のみならず、昨今は小中学校の受験が常態化してきた。大手新聞に有名私立中学の入試問題まで掲載されるのには驚かされる。東京ではこの若年受験傾向のため、公立中学校には1学年1クラスしかないところもあると聞く。今や有名大学を目指すには遅くとも小学4年生から進学塾に通い始めることが常識とされる。その時点で塾に通う子供たちはそれまで楽しんできたスポーツ、芸術、文化活動を休止する。

 

この記事に登場するのは、子供の貧困問題の本質的解決を目指す

NPO法人ラーニング・フォー・オール(LFA)創設者の

李炯植(り・ひょんしぎ)氏。

彼は兵庫県の生活困窮世帯が多い地域に生まれたそうです。

李氏が東大入学後に出会った学生は「世帯所得も文化資本も持ち合わせた」人たちであり、李氏が育つ過程で認識した貧困などの社会課題への関心も薄かったという。

李氏は日本にも「階層」があると知り、大企業や官庁の道を選ばず、教育系NPO法人を経てLFAを創設した。岸田文雄総理もLFAを訪問したようだが、LFAはいまだに重要な資金調達手段である寄付金控除対象NPOとしての認定を受けていない。

 

この記事に書かれているのですが、

東大に合格する生徒の大半は関東出身で、

いわゆる地方出身者の割合は少ない、とのこと。

東大には全国からそこを目指す子どもたちが集まってくる、

という印象もあるのですが、現実はそうでもないのかもしれません。

 

その要因の一つが受験格差。

都市部では受験の若年化が顕著で、高学歴を目指す純粋培養者が生まれやすい。

一方、進学塾が少ない地方都市では義務教育終了後の受験が一般的。

このことが、有名大学の教育機会という点において

都市と地方との「格差」の要因になっている、と記事は指摘しています。

私自身、地方出身者のひとりですが、

確かに中学までに塾通いするという選択肢はほぼなかった気がします。

現在、大阪で生活していますが、

小学生の塾通いが一般的であることにいまだに少々戸惑います。

記事では受験の若年化、というふうに書かれていますが、

私自身は若年化そのものよりも、塾に通わなければ合格できないという、

受験の際の作問にやや問題を感じています。

 

さて、次世代リーダーに必要な感性とは。

この記事はこう締めくくられています。

この国の将来のために必要な本当のリーダーは純粋培養された若年受験の成功者か、それとも李氏のような人材か。政府はこども家庭庁の体制整備を進めるが、重要なのはそうした組織をリードする、社会課題への感性を研ぎ澄ませた人材を育て登用することである。

 

小さい頃の経験は本当に大切だと感じます。

私学が小さな失敗を許容できる学びの場を提供できるのか。

これからの時代を力強く生き抜くために、

机上の勉強だけでない豊かな経験が可能な学校であっていただきたいと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp