週に1回くらいはこのニュースに出会う気がします。
私学ガバナンスに関する制度改正について。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
私立大などを運営する学校法人のガバナンス(統治)改革を議論する文部科学省の「学校法人制度改革特別委員会」が22日、開かれた。各大学法人が置く「評議員会」を最高機関へ格上げする案は見送る一方、合併や解散などの重要事項に限り評議員の承認を必須とする折衷案が示された。
以前の案では評議員会が新たな「議決機関」として位置づけられていましたが、
今回の案は理事会決定を承認する、というものに変わりました。
この記事には、
「理事会へのけん制機能を高める内容として、大筋で合意した」
と書かれていますので、これが基本線になりそうな気配です。
記事には前回の改革案と比較する形で今回の内容がまとめてありましたので、
下の表でご確認いただければと思います。
特別委トップの福原紀彦主査(前中央大学長)が示した試案は、評議員会を最高機関に格上げすることについて、実務への影響が大きいとして見送りが妥当とした。その上で大学法人が合併や解散など重要事項を決める際は、理事会だけでなく、評議員会の承認を必須とすることを掲げた。
重要事項に中期目標などを追加すべきかも議論したが、「評議員が詳細な計画を判断するのは難しい」などの声があがり、予算などの扱いも含め次回以降に改めて検討する。
上記を読む限り、評議員会が承認するのは合併や解散など、
法人格に影響を及ぼすような案件に限られており、
評議員会は承認機関、という言い方にもやや無理がある印象です。
そして、これはあくまでも大学法人の話で、
知事所管法人についてはこれまでと変更なし、となりそうです。
前回案との変わりように驚いてしまいそうですね。
もうひとつ、理事が評議員を兼任する是非もテーマとなったとのことで、
記事にはこうあります。
試案は「社会的な理解を得る」ため、禁止する必要性を打ち出したが、規模に応じた対応が欠かせないとの指摘が相次いだ。日本私立中学高等学校連合会は「責任が重くなるほど、評議員のなり手を見つけることは難しくなる」として再検討を求めた。
現状も「理事数×2+1」以上の評議員数が必要になっていますので、
単に兼務の可否だけの話ではないようにも思うのですが、
この点も場合によっては前回案とはかけ離れた結論になるかもしれません。
引き続き、議論の内容をしっかり見守っていきたいと思います。
(文責:吉田)