寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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私学統治改革案、検討継続へ

あけましておめでとうございます。

どんな年明けをお迎えでしょうか。

本年も本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 

年始に相応しいかどうかと言われれば自信がありませんが、

押さえておくべきこの内容をふりかえっておきましょう。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

私立大学などを運営する学校法人のガバナンス(統治)改革で、文部科学省は(12月)16日、新たに会議体を設け、年明けから制度設計の検討を続ける方針を固めた。既に同省の専門家会議が各法人に置かれている評議員会を「最高監督・議決機関」とする改革案を示しているが、私学側の反発が大きく、慎重に検討する必要があると判断した。

 

迷走、とならないように願いたいところではありますが、

昨年12月、専門家会議から提言を受けた直後であるにもかかわらず、

別の会議体を設け、同じテーマで議論をするという異例の事態。

もともとは昨年内にガバナンス改革についての結論が出る予定でしたが、

それも叶いませんでした。

 

現状の案をふりかえっておきましょう。

下の図は以前のブログでも引用させていただきました。

 

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私学関係の各団体から多くの異論が出ている上記内容ですが、

これがどのように決着するのか、まだ見通しは明らかではありません。

特に大きな影響がありそうなのが評議員会の位置づけですが、

少なくとも、現状からの変化は避けられないのではないか、

と感じてはいます。

 

そして、私が直接お話を伺うことができる私学関係各位からは、

すでに出されている専門家会議の改革案も理解できる、

とのご意見をかなり多く耳にしています。

日大の例は極端だとしても、コンプライアンスやガバナンスの観点で、

現状が必ずしも是認されるべき状況でないという私学が

一定数存在していることを示唆している、とも言えるのかもしれません。

 

個人的には、私学の自治はぜひ維持していただきたいと願う一方、

なぜこのような改革案を「上から」示されるような状況になったのか、

私学自身も謙虚に受け止める必要があるのではないか、と思います。

不祥事の絶えない現状を踏まえれば、規制強化の流れを

私学自らが作っているとも言えなくはないからです。

 

自律、すなわち自ら律すること。

学校という場を大切にできるように、

組織的なガバナンスを各校園でご高察いただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp