少子化とともに経営課題となっている高齢化。
その雇用について押さえておきたいデータです。
日経新聞より。
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内閣府の2021年版「高齢社会白書」によると、日本の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は20年10月時点で28.8%。今後も上昇が続く見込みで、65年には38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上になると推計されている。
すでにご承知の通り、今後高齢化はさらに進み、
事業者は高齢者の雇用についても課題を抱えることになります。
今年4月には改正高年齢者雇用安定法が施行され、
70歳までの就業機会の確保に努めることが求められるようにもなりました。
そのような中で、当のご本人たちの就業意欲はどうなのか。
下のグラフを見ると、決して低いようには見えませんね。
高齢社会白書によると、収入のある仕事に就いている60歳以上の男女の約9割は、少なくとも70歳まで、またはそれ以上働きたいと回答。約4割は「働けるうちはいつまでも」と答えた。高い労働意欲を持つ高齢者の活躍の場をつくれるかが問われる。
そしてこの記事には、以下の実例が紹介されていました。
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記事に登場する相沢さんは定年退職後、
グランドシッターとして保育園で補助業務を行っています。
62歳から複数の園で経験を積み、3年前からは東京都内の保育園で
週4日、午前中を中心に勤務しているとのこと。
定年までは外資系製薬会社で約40年間、
医薬情報担当者(MR)として猛烈に働いた相沢さん。
その激務ぶりも記事に書かれています。
自らの子育てすら不十分だったというこのケースは、
保育業界にとっては完全に別分野からの参入人材といえます。
「あのおまえが保育園?」「ニコニコできるの?」。現役時代を知る同僚は、ことさら驚いてみせながら相沢さんをからかう。確かに、自分でもエプロン姿で子どもに囲まれる未来はまったく想像していなかった。
だが元企業戦士の目には、保育園の景色の全てが新鮮にうつる。よちよち歩きだった子どもが、気づいたら走り回り、生意気なことを言い始める。現役時代には無縁だったゆったりと流れる時間のなかで、人間の成長を間近で見届けられるのが何より楽しい。
教育、保育ともに、人材の不足が顕著な業界です。
であればなおさらのこと、今後の高齢者の活用は重要なテーマと言えるでしょう。
自校園の再雇用のみでなく、視野を広げて、
他分野からの参入を促すしくみを用意されてもいいのかもしれませんね。
何しろ、この業界は誰しもが通った経験のある場所。
思い入れのある方は決して少なくないはずです。
(文責:吉田)