教育には当然、時代に応じたテーマも含まれてきます。
気候変動は現状、そして近い将来に向けて重要な課題なのですが。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
先月、イギリス・グラスゴーで開催されたのが
第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)。
ニュースでも連日採り上げられ、将来を担う現代の子どもたちが
主役となる頃の環境について考えるという意味では、
重要かつ格好の学習テーマであると思うのですが、
記事によれば、どうやら教育現場には戸惑いが多いようです。
下の表は必要となる環境教育の内容が整理されています。
どれも今後に向けて避けられない重要な内容だと感じます。
「昔より夏が1カ月くらい長くなった」「バケツをひっくり返したような雨が増えている」。10月下旬、栃木県栃木市立大平東小学校で開かれた出前授業。県環境部局の職員がデータを交えながら話を進めると、聞き入っていた5年生約30人の間でどよめきが広がった。
栃木県では、2020年度から、気候変動を巡る情報発信の一環として
専門知識を持った職員による出前授業を始めておられます。
学校だけでは十分な内容を教育できないとなれば、
その分野の専門家の知恵を借りることはむしろ自然なことでしょう。
ただ、現実には学校側の体制が整っていないケースも多そうです。
環境教育で学ぶ内容は幅広い。現行の小学校の学習指導要領では、理科や社会のほか、家庭科、体育など主に7教科にまたがる。文部科学省は各教科で学ぶ内容や時期を把握したうえで総合的に指導する必要があるとして、学校の全体計画を作るよう促している。
ただ、教育現場の取り組みにはばらつきがある。東京都教育委員会の18年の調査では回答した都内57区市町村の教委のうち、全体計画をほぼ全小中学校で作成していたのは16%にとどまった。「ほとんど作成していない」が7割強を占めた。
日本は環境分野における施策がそれほど進んでいない印象があります。
その要因の一つが、環境教育の不十分さにあるのかもしれません。
一方で、学校は現時点でもやらねばならないことが多く、
目いっぱいの活動の中で環境教育をどう展開するか、
相当の工夫が必要な気がします。
そしてこういった実現が難しい事柄こそ、私学の出番とも言えそうです。
各校園においてすでに環境教育について先進的な取組がなされている
ケースもきっとあるでしょうから、今後はそれも特色の一つとして
世間に伝えていっていただければと思います。
東京都豊島区教委のアドバイザーも務める阿部名誉教授は、環境教育について
「知識を得るだけでなく自らの問題として向き合う意識を培うことが重要」
と指摘したうえで、
「海外では子どもたちが持続可能な社会に向けて積極的に意見表明をしている。
日本国内でも大人たちとともに改善策を実践できる場が必要だ」
と話しておられます。積極的な活動が期待されます。
(文責:吉田)