ここのところ続けて採り上げている、日経新聞の連載「教育岩盤」。
私の故郷の大先輩であり古巣の大先輩でもある、
坂東真理子氏の登場です。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
真のエリート養成、という話題で始まる今回の記事。
その観点で教育が抱える問題点を、
坂東氏は大学入試にあると指摘しています。
入試には社会全体が高い関心を示す一方、
入学後の学生の成長には無頓着だ、と。
「国も大学教育に教員数や教室の広さ、設備など形式的基準は設けるが、
学習成果はあまり問わない。
企業も入社試験で体育会やクラブ活動やボランティア、
留学などの活動歴は重視しても学業成績は軽視する」
そして、学業の成果を重視しないのは小中高も同じだとおっしゃいます。
「典型が学力テスト。学校間で差が出るとか、学力より人間性が大切などと
反対する。社会とかけ離れた感覚で、教育界の岩盤だ」
「差はつけるな、学力偏重は悪、優秀な子を伸ばすよりは
問題を抱えた子を優しくサポートしよう、というように
差を極端に嫌うのは数十年前の教育哲学だ。
それでいて困難な子への効果的支援策や、
優秀な子をさらに伸ばす指導法など前向きな議論はほとんどしない」
この記事に登場する坂東氏の言葉はどれもかなり鋭利な印象で、
すべてをそのまま受け入れることは私自身、少し難しく感じるのですが、
それでも一考に値するものはいくつかあるような気がします。
将来に向け、学校が必要とする人材や教育環境について、
このように指摘されています。
「これからは創造性や挑戦心を育む時代。
多様な経験を持つ人材の中途採用や教員免許の弾力化などで、
新しい価値観やスキルを持つ人を受け入れるべきだ」
先日のブログでも紹介しましたが、
教育業界の人材と、外部から入ってくる人材がお互いに刺激しながら、
新しい教育業界を作っていくことが重要なのかもしれませんね。
貴校園は多様な組織を形成できているでしょうか。
ぜひとも一度ご確認いただければ幸いです。
(文責:吉田)