寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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東大改革、学生半減も手段

本日も日経新聞の連載「教育岩盤」より。

私学経営でもぜひ考えていただきたい内容だと感じましたので、

ご紹介させていただきます。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

話題の中心は「秋入学」。

以前、東京大学が秋入学全面移行を提案されたのを

おそらく皆さんも覚えておられることでしょう。

当時の学長が今回登場する浜田純一氏です。

 

なぜ秋入学を提案したのか、という点について、

浜田氏はこうおっしゃっています。

 

「狙いは国際的な学事暦に合わせることと、

 受験勉強中は限られていた視野や経験を思い切り広げることだった」

「海外と自由に行き来するようになると新鮮な学びや未経験の困難に直面する。

 多様性と出合う体験が学生を強くする。

 海外の大学を経験すれば、東大の教育に対する注文も多く出て、

 大学改革にもつながると考えた」

 

そして、これが頓挫した原因としていくつか理由を挙げておられますが、

印象的なのは次の言葉です。

 

「社会の改革意欲がもっとあれば、教授会の反対も突っ切ったかもしれない。

 秋入学で学生は大きく伸びるという確信はあったが、

 社会的には足を引っ張る材料の方が多かった。

 世界の動きに向き合う日本社会の限界を見た気がする」

 

新たな提案に対して「できない理由」を並べてしまう。

私たちの悪い癖、とも言えるかもしれません。

どうやったらそれができるだろうか、と考えることが大切なはずなのですが、

さて、秋入学について「実現するためには」というふうに検討された

私学は果たしてどのくらいあったでしょうか。

 

そして、私に強烈に刺さった浜田氏の言葉が、

東大改革に必要な施策は何かと問われた際の以下の答えです。

 

「18歳人口が大きく減っているのに、学部入学定員はさほど減っていない。

 極論かもしれないが、学生数を半分にして意欲ある優秀な学生を

 もっと精選したらどうか。教員も3分の2程度にするが、

 国の運営費交付金は削減しない。そうすれば教員にも余裕が生まれ、

 教育研究の質も上がる」

「入試も、今のように複雑で難しくする必要があるだろうか。

 共通テストで一定水準の点数を取れば、

 2次試験は『何々について論ぜよ』程度で良いのではないか。

 大事なのは、学生構成の多様性と入学してからの教育の質だ。

 合格したことより卒業できたことを誇れる大学にすべきだ」

 

大学の話題と捉える向きもあるかもしれませんが、私自身は

中高であっても同じことが言えるような気がしています。

学校として大切にせねばならないことを大切にし続けるために、

学校規模がどうあるべきか、そしてそれをどう実現するか、

真剣に考えてみてもいいのではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

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