すでにご承知の事案かと思いますが、採り上げておこうと思います。
日経新聞より。
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茶色っぽい髪を黒く染めるよう教諭らに強要されて不登校になったとして、大阪府羽曳野市の府立高校の元女子生徒(22)が府に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が(10月)28日、大阪高裁であった。本多久美子裁判長は髪の染色を禁じる校則や指導の違法性を認めなかった一審・大阪地裁の判決を支持し、元生徒側の控訴を棄却した。
本件裁判においては、一審・大阪地裁の判決で、
元生徒が不登校になった後の学校の対応について府に賠償を命じた一方で、
校則について「社会通念に照らして合理的」などと判断していました。
これを受けて元生徒側が控訴したものですが、
控訴審判決においても、学校教育では「個別的、集団的な実情に応じて
多様な教育指導が許容されるために広範な裁量が認められる」と指摘し、
府立高の校則や頭髪指導は「裁量の範囲を逸脱しない」と結論づけました。
ただ、この裁判が世間に与えた影響は決して小さくありません。
文部科学省は今年6月、校則を時代に合わせて見直すよう求める通知を発出、
改定の動きが出始めていますし、生徒が主導するケースもあります。
埼玉県では、高校など県立学校の実に9割が、
過去3年間に服装規定を中心に校則を見直していたそうです。
また広島市の私立安田女子中高は2021年度から、
原則禁止だったスマートフォンの持ち込みを認めるよう校則を変更しましたが、
これは生徒有志が全校アンケートで募った意見をもとに教員と協議を重ね、
学習や緊急時の連絡など目的を限って容認したものです。
一方で、熊本市が2020年に実施したアンケートでは、
高校生の約4割が「校則の中に必要ないと思うものがある」と回答していて、
現在も生徒を細かく縛るルールは多くの学校で残っているようです。
校則はどうあるべきか、議論が求められていると記事も指摘しています。
貴校園の校則はいかがでしょうか。
ルールが時代とともに変わるのはむしろ自然なことです。
ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
(文責:吉田)