日経新聞で先月始まった連載、その名も「教育岩盤」。
毎回、興味深い内容を提供してくれます。
本日ご紹介するのはその初回の記事です。
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日本の学校教育改革が停滞している。新しい試みに背を向けたままでは、国際化やデジタル技術の進展、新型コロナウイルス禍という時代の転換期をけん引する人材は育たない。変化を忌避する「教育岩盤」の実態を追った。
いきなりのダメ出しから始まるこの記事ですが、
紹介されている実例を見るにつけ、確かに岩盤とも言えそうな、
強固な伝統が立ちはだかっていることに改めて気づきます。
東大で教鞭をとる中で、日本史や漢文でも優秀な成績を納めなければ
エンジニアになれないという入試制度に疑問を抱き、
筆記試験なし、専門性・人間性・国際性を重視する1時間半の面接のみの
入試を行う日本先端工科大学の2024年開校を目指し奔走しているとのこと。
また、幼小中高の一貫教育で知られる玉川学園は、
幼稚園年長組の9月から小1の学習を始め、
高校を6月に卒業する一貫教育校の設立を目指しています。
秋入学にすれば夏休みを有効活用できること、
小中高一貫校は個々の理解に応じた「修得主義」指導を可能にすることなど、
メリットはいろいろ想定されているようです。
硬直した教育制度への異議申し立てが相次ぐ。6・3・3・4制などは戦後間もなく導入され、入学年齢や時期、学習内容を細かく定める。だが、この間に社会は激変し、制度が現実に合わなくなってきた。
平均点の高い優等生は選抜できても、とがった才能の発掘が苦手な難関大入試。世界の主流とずれる4月入学。年齢と学年がリンクし、理解が早い子にも遅い子にも苦痛なだけの「履修主義」指導……。制度の限界は明らかなのに、平等主義を盾に改善は進まない。
いろいろと考えさせられる記事ですが、さて、
私学たる貴校園では改善、改革は進んでいますでしょうか。
国や行政の制度は確かに重要ですし、そこに阻まれることも確かに多いのが
現実だとは思うのですが、だからといって、それが現状に安住することの
積極的理由にならないことは明らかでしょう。
よりよい教育環境を目指し、貴校園自身がどうなりたいのか。
ぜひともその大きな問を、自らに投げかけてみていただきたいと思います。
ご紹介した記事は、こんなふうに締められています。
変化を嫌う体質を変えない限り、激動期に必要な人材は育たない。改革の芽を摘み取る愚を繰り返している余裕はない。
(文責:吉田)