一気に進んだように見える、学校教育におけるICT化。
しかしながら、諸外国と比べると十分とは言えないようです。
まずは日経新聞のこの記事から。
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新型コロナウイルス禍で、子どもの学習の遅れを懸念する声が高まっている。一斉休校で登校する機会が減り、経済状況などによる学力の二極化が進んでいる恐れがある。休校のリスクが拭えない中、学びの体制整備はなお喫緊の課題だ。
特に公立校で問題となった上記の現象。
白梅学園大の増田修治教授らが今年2~3月、
小学校教員319人に「休校前後で学力差が広がったと思うか」と聞いたところ、
「とても思う」(17.2%)と「やや思う」(47.3%)と合わせて6割超が
影響を実感しているという結果になったそうです。
そして長崎大の森内浩幸教授(小児科学)はこうおっしゃっています。
「学校での経験はやり直しがきかない。健康児の重症化事例はほぼなく、
対策を徹底しつつ学びの場をできる限り元の形に戻す道を探るべきだ」
こういった意見が出されるのは、
休校になった際の代替策が効果的でないから、
というのは言い過ぎでしょうか。
下のグラフを見て、そんなことを思ってしまいました。
同日の記事です。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
新型コロナと並走しながらの学びの保障には、ICT(情報通信技術)を活用した指導力が不可欠となる。ただ日本の教員の指導スキルは国際的に見ても低いのが現状だ。
文部科学省が3月に公立小中高校などの教員約76万人に授業でICTを活用できるか聞いたところ、「できる」「ややできる」との回答は平均70.2%で、コロナ前の前回調査から横ばいだった。
経済協力開発機構(OECD)の2018年の調査では、「デジタル端末を授業に取り入れるために必要な技術や指導力を持つ」と校長が評価した学校に通う15歳の生徒の割合は日本では27.3%で、参加した79の国・地域で最下位だった。
私学ではおそらく、公立校よりもICT活用スキルの高い教員が
多くいらっしゃることでしょう。
ただ、それでも校園内での差は小さくないケースもあるかもしれませんし、
現状でとどまってよい、ということにもならない気がいたします。
今後に向け、教育環境整備の重要な一部として、ICT活用を位置づけ、
学校として推進していくことが肝要ではないでしょうか。
(文責:吉田)