寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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教育移住 新たな呼び水

「教育移住」という言葉ができているのでしょうか。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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教育に独自色を打ち出すことで移住を促し人口減にあらがう地域がある。出生率の大幅な向上が見込みにくい中、豊かな自然の特色を生かしたり、海外の方針を導入したりと知恵は様々。「教育移住」先進地を追った。

 

まずは統計値の確認から。

全国の15歳未満人口(年少人口)は1,508万人(2021年1月1日時点)。

この10年で11%の減少です。都道府県単位で増えたのは東京都のみで、

減少率が最も高い秋田県では24.5%減と、あまりに厳しい少子化状況です。

下の図でも、全国的に子どもの数が減っていることがお分かりいただけるでしょう。

 

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ただ一方で、市区町村別でみると、

37都道府県・計148自治体で子どもが増えているとのこと。

そしてそれは都心ばかりではなく、一般的にはデメリットと捉えられている

「都市との距離」を逆にアピールして呼び込みに成功したところが多い、

と記事では紹介されています。

 

増加率トップは新潟県の離島、粟島浦村。牧場で馬を世話しながら小中学校に通ってもらう「しおかぜ留学」制度を13年に設け、年少人口を19人から43人へと倍増させた。

21年4月入学の募集では新型コロナウイルス禍にもかかわらず、継続を含む最大20人の枠に60人以上の応募が首都圏などから殺到した。

 

2位の鹿児島県十島村も小中学生の「山海留学」として、粟島浦村に類似する制度を1991年に創設。移り住む生徒数は毎年度10人前後だったが、2021年度は42人と全生徒の半数近くまで拡大した。

 

6位の福岡県新宮町は16年、地元大学の協力で気象の動向や太陽光発電量などをデータ化し、モニターで公開する「スマートスクール」を開校。効果を児童に体感してもらうことで環境教育を推進し、新たな生徒を呼び込んだ。

 

小さな自治体は予算もそれほど大きくないため、その成功例は、

私学単体での募集広報施策としても参考になると思います。

マンモス校であれば20人程度の増加はそれほど重要ではないかもしれませんが、

生徒募集に苦労されている学校からすれば、

20人の生徒増は大きな成果と言えるのではないでしょうか。

 

理想の教育を地方で実施しようとする取り組みは足元でさらに加速する。19年には異なる年齢の子どもを共に学ばせ、個性や発達度合いに応じた教育の実現をめざす欧州発の「イエナプラン」を採用した認定私立校が長野県佐久穂町に開校した。自主性の確立や生徒同士の教え合いで自己肯定感を高められることなどが人気を集め、全校約140人のうち8割が移住して入学した。都内から進学した生徒は50人を超える。

 

さて貴校園では今後の人口減を見据えて、

どんな計画を立案しておられますでしょうか。

貴校園が元気に活動を続けられるよう、適切な規模設定と、

それを満たす子どもの数を確保できるよう、

しっかり検討を深めておいていただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp